フットボールチャンネル

J2 21時間前

山田康太はJ1の厳しさを知っている。だからこそ横浜FCの現状に満足しない。「言い方が悪いかもしれないけど…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子
山田康太 横浜FC
横浜FCでプレーする山田康太【写真:Getty Images】



 明治安田J2・J3百年構想リーグEAST-A第3節が22日に行われ、横浜FCはホームで栃木シティFCと対戦し5-1と大勝した。これでリーグ初勝利となったが、MF山田康太に満足感はない。トップレベルの厳しさを知る彼だからこそ、「今日以上のことを公式戦で表現していかないと」とあえて厳しい言葉を口にする。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
——————————

開幕連敗の要因「私自身の提示が練習中多くなり…」

須藤大輔 横浜FC
横浜FCを率いる須藤大輔監督【写真:Getty Images】

 2020年代に入ってから3度のJ2降格を経験してきた横浜FC。2026年は再びJ2から再起を賭けることになった。

 そのタイミングで、藤枝MYFCで実績を残した須藤大輔監督を新たに招聘。今回のJ2・J3百年構想リーグ・EAST-Aで底上げを図っているところだ。

 しかしながら、モンテディオ山形、ベガルタ仙台との開幕2戦はまさかの連敗。J1から降格してきたチームとしては、不本意なスタートを余儀なくされたのだ。



「新しいことにチャレンジしている中、私自身の提示が練習中多くなり、考えてプレーすることが多くなっていた。走って戦うことが2番目に来ていたのかなと山形、仙台戦で出たので、今週はまず走りましょうと。ゴールに向かって前向きに走りましょうということをテーマに挑みました」

 須藤監督もサッカーの基本原則を改めて強調。頭を切り替えて2月22日の栃木シティFC戦に挑んだという。

 そこで、1つ変化をつけたのが中盤だった。

山田康太が受け取った監督からのメッセージ

駒沢直哉 横浜FC
ひとりで4得点をあげた駒沢直哉【写真:Getty Images】

 ここまで2試合は山田康太をボランチに据えていたのだが、今回は一列上げてシャドウで起用。空いたボランチのところに展開力のある小倉陽太を入れ、よりゴールへの迫力を高めようと試みたのである。

 指揮官は一連の布陣変更について、次のように説明する。

「ボールをどうやって相手ゴールに届けるかをまずは考えました。加えて、しっかりボールを回収するバランスも考慮した。今回は陽太と高江(麗央)にボランチを組んでもらうのが最適解かなと判断しました。

 康太が前に入ることでより危険なエリアまでボールを運べて、前向きで相手の嫌なことができるようになる。そういう効果を期待しました」

 山田本人もやりがいを持ってアタッカーのポジションに陣取ったようだ。今季から7番を背負う男は力を込める。



「躍動感のない試合が続く中、須藤さんからは『本能的にプレーしてほしい』と強調されました。選手それぞれが持っている勝利への欲を存分に出すんだと。

 それを頭に入れながら、自分はビルドアップの出口になったり、局面で1人えぐってチームを前進させる役割をイメージしてやりました」

 その意気込みは序盤から確かに出ていたが、立ち上がりの横浜FCは凄まじい強風と相手のハイプレスに直面し、思うような戦いができなかった。

 開始15分にはいきなり先制点を献上。須藤監督も「カオス三昧」という独特の表現をしていたが、いきなりの失点に彼らも危機感を募らせたに違いない。

 それでも、この日の横浜FCは闘争心を失うことはなかった。もともと須藤監督はパッションを前面に押し出す指導者だ。

「すごくいい指導者だなと…」

ジョアン・パウロ 横浜FC
チーム5点目をあげたジョアン・パウロ【写真:Getty Images】

 山田自身も「技術的な部分と人間的な熱さのどっちも持っていて、すごくバランスのいい監督。自分のキャリアの中でもすごくいい指導者だなと感じます」と神妙な面持ちでコメントする。

 そういう指揮官の求める勝利への意欲や貪欲さを選手たちが忘れることなく、前へ前へとアクションを起こし始めたのは前向きな点。それが前半の逆転劇につながったと見ていいのではないか。

 最初の大きな一歩となったのが、32分の同点弾だ。

 左ウイングバック(WB)新保海鈴のクロスを新エースFW駒沢直哉が頭で押し込むと、この5分後にも同じホットラインから駒沢が逆転弾をゲット。首尾よく2−1で折り返したのである。

 いい流れの中、後半へ突入。開始直後に新保の右CKから駒沢が3点目を叩き出し、ハットトリックを達成する。



 さらに52分にも新キャプテン・細井響のロングスローから駒沢がゴールを決めた。

 気づいてみれば、4−1という大量リードを奪っていた。早稲田大学から横浜FC入りして2年目の若手FWの爆発は、須藤監督率いる新生・横浜FCにとって朗報以外の何物でもないだろう。

 ここで勝負をつけた横浜FCは、途中出場のジョアン・パウロも追加点を奪い、終わってみれば5−1の圧勝。待望の今季初勝利を挙げることに成功したのである。

 結局、山田は82分までプレー。終始、献身性を強く押し出した。

 自身は得点にダイレクトに関与することはなかったものの、1トップの駒沢、横山暁之の2シャドウの関係性も時間を追うごとにスムーズになり、多少なりとも手ごたえも得たはずだ。

 だが山田は、あえて停滞した時間に目を向け、改善の必要性を口にする。

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!