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浦和レッズが見せる2つの弱点「あのポジションは人数が足りなくなる」昨季から変わらない“苦手”な局面【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images
鹿島アントラーズに敗れた浦和レッズ
鹿島アントラーズに敗れた浦和レッズ【写真:Getty Images】



 明治安田J1百年構想リーグは4節を消化し、浦和レッズは2勝1PK敗1敗の勝ち点7で、EASTでは4位という位置につけている。昨季から続くマチェイ・スコルジャ体制で、変わったものも変わらないものもある。プレシーズン、そしてこの4試合から見えてきた戦い方と弱点を分析する。(取材・文:編集部)[1/2ページ]
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機能した攻める形

浦和レッズ・マチェイ・スコルジャ監督
【写真:Getty Images】

 浦和レッズはハーフシーズンで行われるJ1百年構想リーグで2月の4試合を終え、勝ち点7とまずまずのスタートを切った。昨季より全体のプレーゾーンを高くしていく取り組みが見られ、得点数も伸びている一方で変わらない課題も見られる。

 昨季の大きな課題として認識されたのが得点力不足であり、それと同時に低い位置で守ったところから脱出できなくなってしまいがちな、前進能力に欠ける試合展開だった。昨季の最終節で川崎フロンターレに4-0の快勝を収めたゲームでは、ヒントを得るかのように積極的なプレスから高い位置でのボール奪取から素早く攻める形が機能し、今季のプレシーズンキャンプからそうした方向性に振った戦術に取り組んできた。

 それは少なからず機能した面があり、開幕のジェフユナイテッド千葉戦では敵陣で二桁を数えるボール奪取があり、立ち上がりからパワーを掛けた試合展開に持ち込んで2-0で勝利した。


 第2節のFC東京戦では立ち上がりを耐える展開になったが、ロングボールを蹴って押し上げていく現実的な割り切りを見せ、自陣に押し込まれる状態を脱した。こうした部分では昨季の課題に対して一定の回答を見せたと言え、2-3で敗れた鹿島アントラーズ戦も含め4試合全てで先制点を奪っていることは評価されるべきだろう。

 4試合で7得点、昨季になかったPKの獲得、流れの中からのゴール、セットプレーとゴールパターンが複数あるのも前向きな要素だ。

ハイプレス戦略が持つ危うさ

浦和レッズ対鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズと対戦した浦和レッズ【写真:Getty Images】

 一方で、そのハイプレス戦略が危うさを内包する場面は散見される。千葉戦や鹿島戦ではマンツーマンになって中盤の選手まで敵陣に寄せていった際、最終ラインの選手が相手のロングボールや前線へのパスに対して後手を踏んで一気に疑似カウンターを受けてしまう場面が見られた。

 場合によってはイエローカードを受けてでも止めるべき場面で「フワッ」といかせてしまうプレーには、より責任感や厳しさが必要だろう。そして、このようなプレス戦略に出ることによる後半の減退には、まだ答えを見いだせていないようだ。


 実際に浦和が勝利を逃した2試合は、後半アディショナルタイムの失点によりリードから同点、同点から敗戦と、得られるはずの勝ち点を減らした。鹿島の鬼木達監督からは「相手の徐々に落ちてきている部分を見極めてスペースの共有もできていた」というコメントもあったように、なかなか90分を忙しいゲーム展開のまま乗り切ることは難しい。そこの一本調子にならない「緩急」をつけてゲームを安定させることには苦しんでいる。

 マチェイ・スコルジャ監督が鹿島戦後に「ボールをキープしながらプレーすることは本日の我々に欠けていました。我々が動かしながら相手を走らせてキープすることができれば、違う試合になったかもしれません」と話したが、このようなプレーを苦手とすることは昨季から変わらない。

「あのポジションは人数が足りなくなる」

浦和レッズ
ジェフユナイテッド千葉と対戦した浦和レッズ【写真:Getty Images】

 サミュエル・グスタフソンが開幕から欠場しているエクスキューズはあるものの、これから季節は気温が上がっていく方向に進んでいく。指揮官は横浜F・マリノス戦後にチームの総走行距離が120キロを超えたゲームの勝率が高いことを強調したが、いわば「燃費が悪い」戦い方しかできないことは浦和の弱点になってしまう可能性が高い。

 そして、セットプレー守備の脆弱性には改善が見られない。昨季、セットプレーでの被ゴール期待値がJ1ワーストだったのが浦和だが、開幕の千葉戦ではセカンドボールをゴール正面からフリーでのシュートを許す場面が連発した。


 ゾーンと相手キーマンへのマンマークを併用する形を採用したことにより、西川周作が「どうしても、あのポジションは人数が足りなくなる」と話していた。この試合後に「(ゴール)正面には飛ばさないようにしようとチーム内でクリアの方向は確認した」と話した西川だったが、鹿島戦ではコーナーキックから2失点を喫するに至った。

 この2点はいずれも、マンマークを付けていない選手に得点を許した。どちらも勢いをつけてゾーンの隙間に入ってくる相手に対して、体を寄せることもできずボールへの目測も誤って「割れ目」を作ってしまっている。

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