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J1 17時間前

「FWが点を取らないと勝てない」細谷真大が語るエースとしての自覚。いまの柏レイソルに足りない“姿勢”とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images
細谷真大
柏レイソルでプレーする細谷真大【写真:Getty Images】



 明治安田J1百年構想リーグ第6節が14日に行われ、柏レイソルはFC町田ゼルビアと対戦した。過密日程を戦う町田に比べると有利に思われたが、柏は0-1で敗北。昨季躍進を遂げたチームが、目下のところEAST部門で最下位に沈んでいる。この苦境に対し、エースの細谷真大は自身に矢印を向けながらフィニッシュ精度の重要性を口にする。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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大きなアドバンテージを得ていた柏レイソル

リカルド・ロドリゲス監督 柏レイソル
就任2年目のリカルド・ロドリゲス監督【写真:Getty Images】

 リカルド・ロドリゲス監督就任1年目だった2025年はJ1で躍進し、鹿島アントラーズと最終節まで頂点を争った柏レイソル。今季のJ1百年構想リーグも開幕前から優勝候補に挙げられていた。

 昨季のキーマンである小屋松知哉が移籍したものの、指揮官の下でプレー経験のある大久保智明や汰木康也、東洋大学から山之内佑成らが加わり、戦力的にも厚みが増したという見方もあったほどだ。

 ところが、2月8日の開幕・川崎フロンターレ戦で3-5という大量失点を喫し、黒星発進を強いられたことで、彼らはいきなり躓いた。続く東京ヴェルディ、鹿島アントラーズにも敗れ、3試合勝ち点0という信じがたいスタートとなってしまった。



 その後、FC東京には勝ったが、3月7日にはちばぎんカップで圧倒していたジェフユナイテッド千葉に1-2で苦杯。早くも4敗目ということで、3月14日のFC町田ゼルビア戦では浮上のきっかけをつかむしかなかった。

 相手は10日にAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の江原FC戦を消化したばかりで疲労困憊。しかも攻撃のキーマン・相馬勇紀をケガで欠いている。そういった要素を加味すると、今回は明らかに柏にアドバンテージがある。これを生かさない手はなかった。

 ロドリゲス監督も選手たちも前向きなマインドで試合に入ったはずだった。

「前半は外から見ていましたけど…」

FC町田ゼルビア
過密日程を戦うFC町田ゼルビア【写真:Getty Images】

 しかし、3バック右の原田亘の負傷交代という誤算が起きる。17分に馬場晴也が入ったものの、町田の林幸多郎、ナ・サンホが絡んだ左サイドの崩しにうまく対応できなかった。

 29分の町田の先制点のシーンもそこからだった。ナ・サンホに馬場が寄せきれず、鋭いクロスを入れられ、テテ・イェンギにゴール前で合わせられたのだ。古賀太陽らDF陣の人数は揃っていたのに止めきれないのは、やはり非常に痛かった。

「前半は外から見ていましたけど、最後の方はパスから連係のズレが目立ちましたね」とエースFW細谷真大は神妙な面持ちで言う。

 今季の背番号9は「(2026年北中米)ワールドカップ(W杯)へ行くには点を取り続けるしかない」という強い覚悟を持って百年構想リーグに突入し、開幕の川崎戦で幸先のいいゴールを挙げたが、チームの勝利という結果には結びつかなかった。



 その後、負傷離脱していた垣田裕暉が復帰。FC東京戦勝利に貢献すると、ロドリゲス監督は彼をスタメンに抜擢。細谷はこの日を含めて3戦連続ベンチスタートを強いられていた。

 だからこそ、「自分が点を取って停滞感を打破してやる」という強い気持ちを抱いたはず。そんな細谷を指揮官も後半頭から投入した。

 ピッチに立つや否や、背番号9はゴールへの推進力を強く押し出した。

 開始3分には久保藤次郎のタテパスに反応。町田守備陣の背後を取り、逆サイドへ展開。山之内が惜しいシュートを放つ。これはオフサイドになってしまったが、可能性が感じられるシーンだった。

「その選択肢は頭に入れておかなきゃいけないと思います」

細谷真大 柏レイソル
FC町田ゼルビア戦でチャンスをうかがう細谷真大【写真:Getty Images】

「自分が入って起点になる回数が増えましたし、最初は勢いを持って行けていた。立ち上がりのところで1点取れていたら、また違う展開になったのかなと思います」と本人も悔しさを吐露した。

 それでもゴールに突き進む姿勢を継続。最大のチャンスだったのが、72分にドリブルで持ち上がった三丸拡のスルーパスに反応したシーンだった。細谷が放ったシュートはGK谷晃生に止められてしまい、ネットを揺らせない。

「あのシーンはシュートの選択で間違っていないと思いますし、映像を見ないと分からないですけど、自分の感覚的には行ける場面だった。ファーにうまく流し込めたらよかったですけど、ちょっと緩かった」と本人も不完全燃焼感をにじませた。

 そしてラスト5分を切ったところでも、小泉佳穂のロングスルーパスに抜け出し、強引にシュートを打ちに行ったが、これはサイドネットを強襲。



「ああいうところはシュートを急いで打つんじゃなくて、1回切り返してパスを出してもよかった。一個タメたら味方が入る時間もあるので。どうしても結果を出さなきゃって意識が強かったので、そういうプレーになりましたけど、その選択肢は頭に入れておかなきゃいけないと思います」

 そう語り、細谷自身も点がほしいという気持ちが先に立ってしまった反省を露わにした。

 ただ、彼がゴールを奪わなければ勝てないという現実があるのも確かだ。今季の柏は6試合で総得点7。上位に位置する鹿島や町田に比べるとやや少ない。瀬川祐輔がここまで2点と気を吐いているが、細谷と垣田の両FW陣の数字が伸びてこないのも、勝ち切れない大きな要因と言っていい。

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