清水エスパルスは4月1日、明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第11節でヴィッセル神戸に0-2で敗れた。ケガの影響でこの試合が今季初先発となった中原輝は、56分で交代。悔しさを滲ませながらも、現実を冷静に見つめていた。(取材・文:榊原拓海)[2/2ページ]
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「本当に1番悔しいこと」
なかなか前線で起点を作れない中、31分には低い位置でボールを引き出し、逆サイドへ走っていた小塚和季に展開する場面もあった。正確無比な左足を用いたチャンスメイクを武器とする中原の“らしさ”を見せたワンシーンのようにも感じていたが、中原本人の見解は異なる。
「今振り返ると、低い位置でボールを引き出すことも大事だったかなとは思います」とは口にしつつも、「ただ、自分が低いポジションを取りすぎると、セフンの裏に誰もいなくなってしまう。チームとしては、(WGが)裏を狙うことは、役割として明確に与えられている」と中原。
このチームのWGは背後への意識をより強く持たなければならないが、彼は低い位置からチャンスメイクすることも決して苦手ではない。神戸戦ではそのバランスを見つけられないまま、中原はピッチを後にした。
今季初先発となった神戸戦の出来が満足できるものではなかったことは、試合後の彼の表情と言葉が物語っている。北川航也の欠場により、先発出場のチャンスを得た形だったが、中原は「『スタメンの選手がいなくなったら勝てないよね』と言われるのは、本当に1番悔しいこと」と吐露する。
「それができれば、スタメン争いに加わっていける」
だが、このまま終わるつもりは毛頭たりともない。
振り返ると、中原は昨季、期限付き移籍で清水に加わり、リーグ戦では26試合出場2得点を記録したが、うち先発での出場機会は10試合に留まった。「自分の思い描いていたシーズンとは程遠く、色々と悩んだシーズンでした」と回顧するほど、歯痒い時間を過ごしたにも関わらず、今オフには完全移籍を決断。その覚悟の大きさは、想像に難くない。
「守備のベースでチーム基準を超えながら、自分の武器をチームに還元し、そして数字をコンスタントに残していく。それができれば、スタメン争いに加わっていけると思っています」
彼がピッチの上で“輝く”日は、必ず訪れる。
(取材・文:榊原拓海)
【著者プロフィール】
1996年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒。学生時代よりWEBメディアの編集業務にアルバイトとして携わり、2024年よりフリーランスとして活動。現在はサッカー専門新聞『エルゴラッソ』にて清水エスパルスを担当。同メディアを中心に、さまざまな媒体に寄稿している。
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