明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第9節、川崎フロンターレ対浦和レッズが5日、Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsuで行われた。劇的な逆転ゴールの起点となったのが山原怜音。状況に応じて役割を変えながら、タフに走り続ける背番号29が価値を示す一戦となった。[2/2ページ]
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「逆転できそうな匂い」山原怜音が選んだプレー
左サイドで三浦颯太が相手のパスをカットすると、宮城天、河原創と繋がり、中央の脇坂へ。背番号14は反転して右サイドの山原へパスを出す。
山原は右足でボールを止めると、目線を前にやった。2トップと宮城がファーからゴール前に走り込もうと様子をうかがっている。脇坂はダイアゴナルに右サイドへ抜けようとしている。そして、山原と3人のFWの間で、橘田健人がポジションをとっていた。
山原は一呼吸おいて、25m程離れたロマニッチへ、インサイドキックで鋭く低いパスを通す。相手がロマニッチに詰めてボールをつついたが、こぼれたボールに河原創がダイレクトで左脚を振り抜く。
ボールは西川周作の伸ばした腕の先を抜け、ゴール右隅に突き刺さった。
「俺パス出したっけな」
試合後にミックスゾーンを通る山原を呼び止めると、そう言って笑った。
「俺のパスが、っていうよりは、あの(河原の)シュートが凄かった。あの時間帯は押し込めていたし、いい時間に2点目が取れて、逆転できそうな匂いはしていた。とにかくゴール前にどうやってボールを入れるかだけを考えていた」
山原は自身のプレースタイルについて、こう話す。
「僕は基本的にサイドハーフの選手の特徴によって自分の動きを変えられるのが良さだと思っている」
どんな状況にも合わせて、自分の役割を全うできる。だからこそ、だからこそ、山原を下げる理由が見つからない。いついかなるときもピッチで必要とされているからこそ、山原はピッチに立ち続けている。
(取材・文:加藤健一)
【著者プロフィール】
1993年生まれ、東京都出身。『フットボール批評』、『ジュニアサッカーを応援しよう!』(ともにカンゼン刊)の編集を経て、フットボールチャンネル編集部に。『育成主義』(曺貴裁著)、『素直 石川直宏』(馬場康平著)などの書籍編集を担当。箸とペンは左利きだが、スポーツはだいたい右利き。2023年より日本代表を取材。Twitter:@katoken97
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