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「良い部分も悪い部分もよく見えた試合」横浜F・マリノスに今必要なのは成功体験?「次に繋げる時間にしなきゃいけない」【コラム】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images, Atsushi Mihara
FC東京にシーズンダブルを喫した横浜F・マリノス

2戦連続3失点で2連敗となった横浜F・マリノス【写真:Getty Images】



 昨季、クラブ史上ワーストのリーグ戦7連敗など、シーズン序盤から苦しみながらも残留を決めた横浜F・マリノスだが、シーズン移行前の特別大会、百年構想リーグでも苦戦を強いられている。後半戦初戦となったFC東京戦で得た手応えと課題をもって、前に進むことができるのか。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ]

【明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンドEAST第10節】
2026年4月11日 横浜F・マリノス 1-3 FC東京(日産スタジアム)

「自分たちも勝つチャンスが十分あった」前半は主導権を握っていたが…

横浜F・マリノスの天野純

今季初先発で存在感を放った横浜F・マリノスの天野純【写真:三原充史】

 
「前回のF東(FC東京)戦は本当に完敗で何もできなかったので、ホームで取り返すというところと、個人としても悔しい思いをしていたので、絶対に勝ち点3を持って帰ろうという意気込みで入りました」

 今季ここまでチームで唯一、全試合にフル出場中で、この日は左右でサイドバックをこなし、攻守で奮闘した加藤蓮は試合後、このゲームにかける思いをこう話している。

 加藤が話したように、前回対戦時はFC東京が攻守において横浜F・マリノスを圧倒し、確かに完敗だった。今回も結果だけを見れば、また完敗だったと言われても仕方がないのかもしれない。

 それでも、大島秀夫監督率いるマリノスはチャレンジしてきたことを試合で表現していたように思う。

 前半45分に先制点を許すまでは、主体的にゲームをコントロールし、チャンスも多く作った。ただ、残念ながら、その決定機を決め切ることができなかった。



 トップ下で今季初先発し、攻撃でリズムをもたらした天野純は試合全体をこのように振り返る。

「自分たちも勝つチャンスが十分あった試合だと思います。最後で決め切るか、決め切れないかのところで自分は前半3回ぐらいチャンスがあった。後半含めてチャンスはありましたし、そこの決定力の差が出たかなと思います」

 勝利に必要なものは、最後の質の部分ということだろうか。

 結果論だが、チャンスを作りながらも決め切れなかったことで、逆に相手がワンチャンスをモノにしてしまった。しかも、その点の取られ方が良くなかった。自分たちのミスが招いてしまったものだ。

 マリノスが左サイドから攻撃を仕掛け、クロスを上げる。相手にクリアされるが、そのこぼれ球を拾った諏訪間幸成が一瞬の隙をつかれ、ボールを奪われて、カウンターから先制点を決められてしまった。

今季初先発となった諏訪間幸成が悔やんだ失点シーン「切り替えてやるしかない」

横浜F・マリノス 諏訪間幸成

持ち味の空中戦で競り勝つ横浜F・マリノスの諏訪間幸成【写真:Getty Images】

「(ボールが)足元に入っちゃって、横にナベ君(渡辺皓太)がいたので、そこに出そうかなと思ったけど、ごたついてしまった感じです」

 前日練習でアクシデントがあり、急遽スタメンを告げられたという大卒2年目の諏訪間は今季ここまで1試合の出場にとどまっていた。

 自身でつかんだチャンスではなくとも、序列を脅かすためにも大きなチャンスだった。

「これまでの思いをこの試合にぶつけようという気持ちで臨んでいました」というように、ビルドアップでは足元につけるパスではなく、少し前へパスを出したり、相手エース、マルセロ・ヒアンに仕事をさせず、ストロングである空中戦や肉弾戦でも戦えていたり、落ち着いてプレーをしていた。



「何でそこで自分がミスをしちゃうんだろうというモヤモヤはありますけど、切り替えてやるしかない」と失点の場面を悔やんだが、実戦で得られる経験を糧にしていくしかない。

「個人としてやられた場面はほぼなかったので、そこは自信を持っていいところ。練習で突き詰めていくしかないですし、僕個人としてもまだここで結果を残せるか、また難しい立場になるかもしれないですけど、ひた向きにやるしかないと思います」

 後半に奪われた2ゴールもミスからの失点だった。奇しくも関富貫太や浅田大翔ら若手の選手たちが引き起こしてしまったものだが、このゲームで得られたものもある。

 それは前半の戦い方を見ていれば随所に出ていたように感じる。

チームとしてトライしたいことができたのは光明?

横浜F・マリノス 加藤蓮

チームで唯一、全試合にフル出場中の横浜F・マリノスの加藤蓮【写真:Getty Images】

 

 後半にミドルシュートで反撃の狼煙をあげた加藤が「前半から結構マンツーマン気味に行って、自分たちの狙い通りに(ボールを)取れていたところもあった」というように、マンツーマンプレスでFC東京のビルドアップをはめて、ロングボールにも井上太聖と諏訪間で対応していた。

 開幕戦の負傷離脱以来、スタメン復帰した朴一圭が自陣でボールを繋ぐところと、繋がずに蹴り出すところと使い分けて、相手に的を絞らせなかった。

 集中力も高く、セカンドボールを回収。自信を持って自陣でボールを保持し、相手を引きつけ、誘い込むこともある程度できていたように思う。

 ボールを保持していないときも前からプレスをかけて、相手のプレーの選択肢に制限をかけて、内側を閉じ、サイドを封鎖。

 自陣に追い込まれ、ローブロックの展開になっても、バックパスを選択させるなど、ミドルブロックまで押し上げたことも手応えとして持っていいのではないだろうか。



 チームとしてトライしたいことはできた。ただ、それを継続することができなかったのも事実。

 2戦連続の3失点で失点数はリーグワーストタイの18にのぼった。3勝7敗の9位という現実を受け止めなければならない。

「失点は全部、自分たちのミスからだったので、そういう1つ1つの質や動きを合わせていくところは大事だと思います。リスクを冒している分、リカバリーのところで止めないといけないですし、判断はもっと上げていく必要があると思います」

 加藤はこの試合の結果をしっかりと受け止め、今後に活かしていく思いだ。

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