イタリア代表がFIFAワールドカップ(W杯)出場をまたも逃し、改めてイタリア・サッカー界の現状が問題視されている。そんな中、ある一人の若者が、自身のSNSを通じて、ユース世代で起こっている汚い金の動きなどについて暴露すると同時に、サッカー界への怒りをぶちまけた。アッズーリの弱体化は、裏側にある闇から始まっている。(文:佐藤徳和)[2/2ページ]
イタリア代表でも汚い金が動いている!?
賄賂に関しては、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティイス会長も、白日の下にさらした。
イタリアが敗退してから、なにかとメディアによく現れるデ・ラウレンティイス会長は、24/25シーズンのスクデット映画のプロモーションのためアメリカに滞在しており、アメリカ・メディアCBSスポーツの長時間インタビューに応じ、サッカー界の闇を語った。
クラブからイタリア代表に招集される選手に対しては、対価を支払うべきだと主張するデ・ラウレンティイス会長は、持論を展開すると同時に、代表の裏側についてこう激白した。
「年俸が1000万ユーロ(約18.5億円)なら、1か月使うごとに100万ユーロ(約1.8億円)を支払うべきである。なぜ無償で提供しなければならないのか。選手は私の財産であり、彼らのものではない。彼らにとっては、15人の選手を連れていって、何も支払わないなどあまりにも容易すぎる」
「(代表関係者が)代表に招集する見返りとして、代理人から裏金を受け取っている。プロとしてあるまじき行為だが、イタリアで実際に起きていることだ」
2006年、ヨーロッパの国として史上初となる4度目のW杯制覇を成し遂げたイタリア。しかし同年、いわゆるカルチョ・スキャンダルが発覚し、多くのクラブに処分が科された。
イタリア・サッカーの凋落はここから始まった。
W杯2大会連続グループリーグ敗退はその序章に過ぎず、その後も事態は悪化の一途をたどり、ついには3大会連続で予選敗退という異常事態に陥っている。
こうした腐敗を断ち切ることができなければ、イタリアが奈落から抜け出すことは困難であろう。
6月には、イタリア・サッカー連盟(FIGC)の新会長が選出される。
新会長が現実から目を背けることなく、不正に対して断固たる姿勢で臨む人物であることを願うほかない。
(文:佐藤徳和)
【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru
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