
名古屋グランパスの和泉竜司【写真:Getty Images】
旧瑞穂を知る和泉竜司にとって、この一戦は特別だった。聖地の熱狂に包まれた一戦で、名古屋グランパスは前半にまさかの2失点。特別な試合で、理想とは程遠い展開を強いられた。だが、そのまま終わらないのがこの日の彼らだった。劇的な一戦の裏側にあった変化とは。(取材・文:元川悦子)
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「いいサッカーをして勝ち続けるしかない」

名古屋グランパスの和泉竜司【写真:Getty Images】
「PKだろうが何だろうが、勝ちは勝ち。瑞穂のこけら落としで勝って終われたのは、チームとして素晴らしいこと。ファンのみなさんにも喜んでいただけたと思います。
スタジアムが屋根付きになって、声が響くというか、こもる感じは昔の瑞穂よりもある。トヨスタ(豊田スタジアム)もそういうふうに感じますけど、その部分はホームとしてすごく大きいですね。
素晴らしいスタジアムと素晴らしいサポーターが揃っているんで、しっかりといいサッカーをして勝ち続けるしかない。今日は自分たちに矢印を向けると、前半は本当に情けない試合だったと思うんで、自分たちを見つめ直していきたいです」
名古屋在籍通算8年目の和泉は旧瑞穂の時代から多くの人々の後押しを受けてきた選手の1人。この日はホームの凄さを再認識する絶好の機会になったのではないか。
そこでPKまで持ち込んで勝ち切れたという事実も重く受け止めて、次に向かっていく覚悟だという。
実際、彼が陣取っているシャドウのポジションは競争が激しい。この日、結果を出した浅野も気を吐いているし、負傷離脱中のマルクス・ヴィニシウスらも控えている。
百年構想リーグでここまで1ゴールという結果だけでは、ミシャ監督は認めてくれないだろう。ここからもっともっとペースを上げて、名古屋を勝たせられる存在になっていくことが今、強く求められているのだ。
彼らのような経験豊富な選手たちが貪欲に高みを追い求めることで、名古屋はもっと強い集団へと変貌できる。
背番号「7」の爆発を多くのサポーターが心待ちにしているはずだ。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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