世代別日本代表――。それは文字通り、同年代の頂点に立つ者だけが袖を通せる「選ばれし証」であり、将来はA代表の中核を担うことが約束されたエリートたちの集う場所だ。しかし、必ずしも順風満帆なキャリアを歩めるとは限らない。今回は、将来を嘱望されながらも、現在Jリーグで燻っているかつての世代別日本代表選手を紹介する。※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。[5/5ページ]
FW:安部裕葵(あべ・ひろき)
生年月日:1999年1月28日(27歳)
現所属クラブ:浦和レッズ
2026リーグ戦成績:3試合0ゴール0アシスト
安部裕葵は、かつて東京オリンピック(五輪)世代の「至宝」として、日本サッカー界の未来を一身に背負う存在だった。
2017年に高卒ルーキーとして鹿島アントラーズに加入した安部は、同年4月にJ1デビューを果たすと、1年目から非凡な才能を発揮。
翌年にはベストヤングプレーヤー賞を受賞し、2019年には20歳の若さで鹿島の背番号10を継承した。
同年6月、コパ・アメリカでA代表デビューを飾った際の輝きは、誰もが疑わないスターへの階段に見えた。
しかし、同年7月にバルセロナ・アトレティック(当時バルセロナB)への完全移籍が、図らずも長い停滞の入り口となる。
加入1年目は名門のセカンドチームでリーグ戦20試合に出場し、4ゴールを決め、上々のスタートを切った。
だが、2020年2月に右ハムストリングを断裂。これが悪夢の始まりだった。度重なる負傷の連鎖により、東京五輪出場の夢は潰え、所属クラブでも出場機会のない空白の時間を過ごすことになった。
2023年夏にバルセロナ・アトレティックとの契約が満了し、浦和に加入して日本復帰を果たすも、苦難は続いた。コンディション不良や負傷の影響でなかなかピッチに立てず、Jリーグ再デビューまでに要した時間は2年超。2025年10月のことだった。
J1百年構想リーグでは、ここまで3試合に出場。5月2日に行われた第14節のジェフユナイテッド千葉戦では先発メンバーに名を連ね、Jリーグで2561日ぶりのスタメン出場となった。
これは安部にとって大きな前進であることは間違いない。当初の期待からはだいぶ遅れてしまったが、今後の爆発に改めて注目が集まっている。
【著者プロフィール:編集部】
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