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サッカー日本代表戦からVAR介入対象の追加、交代・スローイン・ゴールキックで時間制限導入へ。JFAが競技規則改正を説明

text by 竹中愛美 photo by Editor
第3回レフェリーブリーフィング 佐藤隆治 JFA審判マネジャー Jリーグ担当統括

競技規則改正について報道陣に説明する佐藤隆治JFA審判マネジャー Jリーグ担当統括【写真:編集部】



 日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は5月13日、メディア向けにレフェリーブリーフィングを都内で開催し、2026/27シーズンに向けた競技規則の改定について説明した。同規則は今月31日に行われる日本代表対アイスランド代表戦から採用され、FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会でも導入される。

5月31日のアイスランド代表戦から採用される新ルールとは?

 今回の競技規則変更のポイントは「アクチュアルプレイングタイムの増加」と「正確性・公平性・納得感の向上」の2点となる。

 大きく分けて5つが改正されるとのことだが、まず1つ目は「制限時間付き交代の実施手順」だ。

 これは交代が行われるとき、競技者は10秒以内に競技のフィールドから離れなくてはならないというものである。この制限時間を超えた場合は、交代要員は1分が経過した後の最初のアウトオブプレーまでフィールドに入ることができないという。

 佐藤隆治JFA審判マネジャー Jリーグ担当統括は、「目的はアクチュアルプレイングタイム(を増やしたい)。サッカーを見たいというところが大原則」だと強調。

 例えば、選手が交代でフィールドを退くときに、交代を把握している状態からカウントを始めるなど、杓子定規な運用にはしない見込みであると説明した。



 2つ目は「フィールド外での治療および負傷の程度の判断に関する実施手順」である。

 これは、「(インプレー中に)競技者が実際に負傷する、負傷の疑いがあることでプレーが停止される」、「主審がメディカルスタッフに競技のフィールドに入るように合図する」、「主審が競技者にフィールド上での負傷の診断が必要か聞き、競技者がそれを求めた」のいずれかひとつ(もしくは複数)に該当した場合、プレーが再開されてから1分間、競技のフィールドから離れなくてはならないというものだ。

 佐藤氏は「1分経ったらすぐに(フィールドに)入ってこられるわけではない。入ってくる選手の目の前でプレーが行われているときはフェアな状態のところで入れる」と補足した。

 3つ目は「スローインおよびゴールキックのカウントダウン実施手順」で改正が行われる。

スローインとゴールキックでも時間制限、VARで介入できる項目と条件も見直しへ

 これは、スローインやゴールキックを行うチームが意図的に再開を遅らせていると判断された場合、主審が5秒のカウントダウンを開始するというもの。カウントダウンが終わっても再開されていない場合は、スローインは相手チームに与えられ、ゴールキックは相手チームのコーナーキックに変更されてしまう。

 佐藤氏は交代の時間制限と同様に「コーナーキックを与えることが目的じゃないです。基本的には勝手にレフェリーの心の中で黙って、5秒を終えるなどないです。明確にきちっと伝えることが必要だというふうに競技規則に書いてある。笛で合図をして、少なくともゴールキーパーであればちゃんとアイコンタクトする」と強調した。

 4つ目は「主審 ビデオアシスタントレフェリー(VAR)」の規則で、VARが介入できる対象が増える。

 追加されるのは「退場(明らかに間違った2枚目の警告を含む)」、「主審が別の競技者に警告する、または退場を命じる」、「明らかに間違って与えられたコーナーキック」の3点だ。

「退場(明らかに間違った2枚目の警告を含む)」は実際に2枚目のイエローカードが出た場合が対象となり、「1枚目の警告は誤りで、2枚目の警告が適切だった場合」は引き続きVARの介入対象外となる。

「主審が別の競技者に警告する、または退場を命じる」に関しては、罰するチームが異なる場合の人違いでカードの提示ができるようになる。

 これまでは人違いのカードの提示は同一チームにのみ、適用できていた。これからは、例えば、Aチームの選手とBチームの選手が接触をして、Aチームに警告が出たとして、実際はBチームのファウルだった場合、Bチームの選手に警告対象を変更できるようになる。

「明らかに間違って与えられたコーナーキック」は、競技会によって選択可能ということだが、速やかにプレーの再開を遅らせることなく、その決定を変更できる場合に限られる。

 5つ目は「競技者の用具 安全」だ。
 
 これまで装身具は一切身に着けることはできなかったが、アクセサリーは「危険でなく、安全に確実に覆われている場合に限り認められる」というようにルールが緩和された。

 5つ目の改正を除いては、基本的な考え方として、試合の価値やサッカーの競技のイメージを高めること、そして、判定の質の向上といった観点からルールが変更されたということだ。

 6月に開幕するW杯で実際にどのように運用されていくのか、ひとつの判断基準となっていきそうだ。

(取材・文:竹中愛美)

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【了】

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