
ガンバ大阪の美藤倫【写真:Getty Images】
AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)決勝で、クリスティアーノ・ロナウド擁するアル・ナスルを封じ込め、ガンバ大阪のタイトル獲得に貢献した美藤倫。その勢いのまま臨んだ清水エスパルス戦でも、強度の高いデュエルと闘争心を前面に押し出した。苦しい時期を乗り越え、ボランチの主軸へと成長した男は、さらなる高みを目指している。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「苦しい時期もありましたけど…」

アルナスルのジョアン・フェリックス(左)とクリスティアーノ・ロナウド(右)【写真:Getty Images】
「今の監督は僕に合っているかなと思います。前の意識が強くなりましたし、持ち味をより発揮できるようになった。キャンプの時から取り組んでいたフィジカルトレーニングもよかったですね。
しっかり強度を上げられましたし、メンタルも強くなった。苦しい時期もありましたけど、やるべきことを確立できたのは大きかったと思います」と美藤はドイツ人指揮官との出会いに感謝した。
その結果、ACL2のファイナルでは世界的名手たちと渡り合うことができた。
「ジョアン・フェリックス選手は特にうまかった。今まで経験したことがないレベルだったので、本当にまだまだ上には上がいると感じた。
ボールの持ち方、トラップの質、パスの質とか、全てにおいてすごかったですし、判断を間違わないんで、ボールを取れるシーンがほぼほぼゼロだったんじゃないかな」と美藤は26歳のファンタジスタから衝撃を受けたという。
そのような経験を経て、「もっともっと上の領域に到達したい」という思いは強まる一方だ。
「いろんな経験をしたい」

ガンバ大阪の美藤倫【写真:Getty Images】
疲労困憊の中、フル出場した今回の清水戦でも「絶対に負けられない」という闘争心を前面に押し出していた。さらに、自身の成長曲線をより引き上げていきたいという野心も湧いてきたに違いない。
「やっぱり上に行きたいですし、いろんな経験をしたいので、今後どうなるかは分かりませんけど、しっかり認められたいと思っています」
美藤はガンバの偉大なボランチの先人である明神智和、遠藤保仁両コーチのように日本代表入り、ワールドカップ(W杯)出場を目指していくことになりそうだ。
北中米W杯後には新たな日本代表が発足し、選ばれる顔ぶれも変わっていくはず。そうなれば、美藤や南野といったガンバの若き成長株たちにもチャンスは十分にあるはずだ。
それを引き寄せるためにも、まずはプレーオフラウンドで東京ヴェルディを倒して、少しでもいい形で百年構想リーグを終えることが肝心だ。
5月30日・6月6日の2試合で青黒の背番号「27」はどのようなプレーを見せてくれるのか。タフさと逞しさを前面に押し出し、チームを勝たせる男になってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
一番大変なのは? Jリーグ百年構想リーグ、サポーターの総移動距離ランキング1~5位。過酷なアウェイ遠征
明治安田Jリーグ百年構想リーグ ユニフォーム記事一覧
日本では監督との間に壁がある。でも、外国人監督はフラットだった。日本は全員を守ろうとして自分が死ぬ【ポープ・ウィリアム手記】
【了】
