Jリーグ百年構想リーグのレギュラーシーズンが終了した。秋春制移行へ向けた特別シーズンは、観客動員こそ安定したものの、降格がなく、優勝争いも早々に決着するなど、どこか緊張感を欠いたまま終わりを迎えた。過密日程に苦しんだFC町田ゼルビアの相馬勇紀は「人生で一番試合した」と振り返る。この異例のシーズンは、日本サッカーに何をもたらしたのだろうか。(取材・文:ショーン・キャロル)[2/2ページ]
「もどかしさはありました」
「あとやっぱり、このシーズンはPKがあるんで、結構難しかった。逆に自分たちがPK勝ちしたことで、勝ち点2は稼げたりするんですけど、なかなか勝っても、他のチームが引き分けだと2ポイント離れなくて、1ポイントしか離れないっていうなんかすごいもどかしさはありました」
もっとも、引き分け後のPK勝利で勝ち点2、敗戦で勝ち点1という制度がチーム間の差を縮めた一方で、通常の勝ち点方式であれば得られなかった「ボーナス勝ち点」が存在したことも事実だ。
実際、町田はPK戦がなければ勝ち点が5少なくなっていたが、それでも3位のままだった。鹿島との差は11ポイント、浦和との差は7ポイントだった。
東西両地区を通じても、通常の勝ち点制度なら最終順位が変わったのは8クラブのみだった。
結局、この「移行期間」から得られる教訓はそれほど多くない。ただ相馬は、日本サッカーが海外リーグと足並みを揃え、発展するためには必要なステップだったと考えている。
「特殊なリーグなんで、しょうがないんですけど、ここからまたすごい若い子たちがヨーロッパに羽ばたくにおいて、夏シーズン終わりっていうのは、本当にプラスに働くと思うので、日本のためになるかなと思います」
プレーオフはまだ残っており、喜びを得るクラブも希望を見出すクラブもあるだろう。
しかし多くのクラブや選手たちは、この「幻のシーズン」を終わらせ、8月から始まる本格的な戦いに目を向けたいと思っているはずだ。
(取材・文:ショーン・キャロル)
【著者プロフィール:ショーン・キャロル】
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。『ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録』『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』の筆者。「Jリーグ Monthly」のレギュラー出演。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーやNHK、J SportsなどのJリーグ番組出演も。
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