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「夢ってこんな感じで手元に来るんだな」。引退寸前からJリーガーへ。中田永一が歩んだサッカー人生【コラム】

シリーズ:コラム text by 椎葉洋平 photo by Getty Images

高知ユナイテッドSC 中田永一

2026年1月、2025シーズン限りでの現役引退を表明した中田永一【写真:Getty Images】



 明治安田Jリーグ百年構想リーグが閉幕し、各クラブの2026/27シーズンへ向けたチーム編成が本格化している。新たな契約を勝ち取る選手がいる一方で、現役生活に区切りをつける選手もいる。2025シーズン限りで高知ユナイテッドSCを退団し、スパイクを脱いだ中田永一もその一人だ。引退寸前からJリーガーとなり、新たな人生へ踏み出した男は、自らのサッカー人生をどう振り返り、第二の人生を歩もうとしているのか。(取材・文:椎葉洋平)[2/2ページ]

「プロは人生の通過点」Jリーガーを経て、次に見据えるもの

高知ユナイテッドSC 中田永一

高知ユナイテッドSCの一員として、明治安田J3リーグで5試合に出場した中田永一【写真:Getty Images】


「プロになれないような選手がいろいろな怪我も乗り越え、プロになる姿を見せられた。それは自分の人生で価値のあるものだと思います」

 サッカー選手を志しながら、元々サッカー人生の先を見据えていた。

「プロは人生の通過点だと決めていました。そこを通過できないなら次に行けない。早くプロになって、その景色を見たかった。追い求めて達成できたのは本当に宝物だったし、この経験はどの仕事でも活きると思えて、自分の強みになりました」

 父親は経営者。その背中をずっと見てきた。「Jリーガーになりたい」と同様に「起業したい」という思いを、自然と抱いていた。

 現在は地元の三重に戻り、父親の会社で働く。経営について学びつつ、鍛えてきた体で4トントラックの運転、荷物の積み下ろしを行う。

 サッカーも身近にある。社会人サッカーで体を動かし、自身が育った「FCアヴェニーダソル」でディフェンス技術を教えるコーチを務める。

「僕はゴール前で足を出さない対応やGKと連動する対応を育成年代で教えてもらわなかったし、FWもDFと同じぐらい守備の頭脳がないと、Jリーグでは試合に出られないというのも伝えたい」

 FWはミスをしても、点を取ればOKと言われる一方、CBはミスが許されないというイメージがある。それを変え、憧れる子どもが増えてほしい。

「僕がこれまで指導を受けてきて、監督から『ミスしても、失点してもいいよ。チャレンジしていないのが1番嫌だ』という言葉をもらったときに、すごくプレーが良くなったんです。僕の好きな言葉に『試合を決定付けるのはFW。リーグを優勝させるのはCB』というものがある。CBの重要性がこの言葉に入っていると思います」

 これまではサッカー選手と仕事。現在は仕事と指導者を並行して、将来的には経営者を目指しているように、中田は限られた時間の中で複数のことを追い求めていく性分なのかもしれない。

(取材・文:椎葉洋平)

【著者プロフィール:椎葉洋平】
1989年生まれ、福岡県出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』のV・ファーレン長崎担当。クラブのMDP(マッチデープログラム)なども担当している。介護士として7年、営業職として1年半務めたのちフリーランスのライターとして独立した遅咲き。Xのアカウントは@yoheishiiba

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