ボスニア・ヘルツェゴビナ代表のセルゲイ・バルバレス監督【写真:Getty Images】
アメリカ、カナダ、メキシコの共催で行われるFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)が日本時間6月12日に開幕した。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表は13日、カナダ代表と初戦を戦う。3大会ぶり2回目の出場となるボスニア・ヘルツェゴビナ代表の指揮官を紹介する。
元代表FWから指揮官へ。母国を12年ぶりのW杯へ導く
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ボスニア・ヘルツェゴビナ代表を率いるのはセルゲイ・バルバレス監督だ。
1971年生まれの現在54歳。旧ユーゴスラビアのモスタル出身で、ボスニア・ヘルツェゴビナとドイツの国籍を持つ。
現役時代はフォワードとして活躍し、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表では47試合に出場。母国のサッカーを支えた名選手の一人として知られている。
その人生は、ボスニア・ヘルツェゴビナという国の歴史とも深く重なる。セルビア系の父と、クロアチア系、ボシュニャク系の血を引く母のもとに生まれ、自身が育ったモスタルは1990年代のボスニア紛争で激しい戦火に見舞われた。バルバレス監督も安全のためドイツへの避難を余儀なくされた経験を持つ。
2024年4月、ボスニア・ヘルツェゴビナサッカー連盟は低迷が続く代表チームの再建を託し、監督経験のなかったバルバレス監督を抜擢した。
就任当初は苦しい船出だった。チームは8試合未勝利に陥り、指揮官への批判も少なくなかった。
それでも、バルバレス監督は信念を曲げなかった。選手たちに求めたのは誇りや意志の力、そして謙虚さだった。
さらに、元代表選手らをスタッフに迎え入れながら組織を整備し、粘り強く戦う集団へと作り変えていった。
その成果はワールドカップ欧州予選プレーオフで実を結ぶ。ウェールズ代表、イタリア代表という難敵を相手に、いずれもPK戦の末に勝利。ボスニア・ヘルツェゴビナを2014年ブラジルW杯以来、12年ぶりとなる本大会出場へ導いた。
FIFAのインタビューでは、「チームとともに作り上げてきた雰囲気と一体感を誇りに思う」と語っており、選手たちとの信頼関係を築きながらチームをまとめ上げてきたことがうかがえる。
バルバレス監督のサッカーは現実的だ。ボール保持にこだわるスタイルではなく、守備で粘り強く耐えながら勝機を待つ。無理に主導権を握ろうとはせず、前線の決定力とチーム全体の献身性を武器に勝負する。
ベースとなる4-4-2の布陣の下、最後まで諦めない精神力と高い結束力を発揮するのが現在のボスニア・ヘルツェゴビナの特徴だ。
国際大会出場から遠ざかっていた母国をよみがえらせた54歳の指揮官。元代表FWのバルバレス監督は、その結束力を武器に史上初のW杯決勝トーナメント進出を成し遂げることができるだろうか。
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