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コラム 11時間前

日本代表が「普通に勝つんじゃないかな」現役Jリーグ監督が分析するオランダ代表。「あまり良くないなという印象を受けた」理由【独占取材】

シリーズ:北中米W杯コラム text by 高橋大地 photo by Getty Images,Etsuko Motokawa
ウズベキスタン代表とのテストマッチで勝利したオランダ代表
ウズベキスタン代表とのテストマッチを行ったオランダ代表【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)で、日本代表は初戦でオランダ代表と対戦する。強豪国との大一番を前に、相手はどこに隙があり、日本は何を狙うべきなのか。直近のオランダ代表戦を分析したシュタルフ悠紀(現SC相模原監督)は、日本が勝機を見いだすためには、前線からの強度ある守備と高い位置でのショートカウンターが鍵になると語る。現役監督の視点から、オランダ戦の勝敗を分けるポイントを聞いた。(取材・文:高橋大地)[2/3ページ]

日本が狙うべきは高い位置でのショートカウンター

オランダ代表MFフレンキー・デ・ヨング
オランダ代表MFフレンキー・デ・ヨング【写真:Getty Images】


――イングランド戦で日本が1点取ったようなショートカウンターが有効ですか。

シュタルフ:いや、もう一段階高いところで狙いたいですね。自陣に引き込んでからブロックの中で引っ掛ける形もあると思います。ただ、デ・ヨングのアンカーをどうコントロールするかが難しい。

 私だったら、前から奪いにいく時は、センターフォワードのタイプにもよりますが、センターフォワードに相手アンカーを見させて、シャドーの選手がセンターバックにプレッシングのスイッチを入れる、いわゆるV字のプレッシングのような形を取ることがあります。

 ただ、今の日本代表でその形を見た記憶はあまりありません。おそらくトップの選手がどちらかのセンターバックに出て、片方のシャドーがもう一方のセンターバックへ出る。そして、もう片方のシャドーがアンカーを捕まえる形になると思います。

 ただし、この形だと、アンカーがポジションを変えた時に捕まえづらくなる。シャドーの守備範囲と逆側に立たれると対応が難しくなり、結果的にボランチが引き出される場面が増えると思います。

 その時に、グラフェンベルフやラインデルスの立ち位置、それから相手サイドバックが低い位置に残った時は、かなり厄介になります。日本はスリーバックやウイングバックをそこでどれだけ押し出していけるかがキーになります。

高い位置なら思い切って行けますが、ミドルブロックだとゾーンを消しながらの守備になるので、どうしても一歩遅れる。一歩の遅れでカットインクロスを上げられたり、遅れて対応してフリーキックやセットプレーを取られて、高さでやられたりするのが怖い。

 オランダと戦うなら、自陣から少し遠いところで、なるべくマンツー気味に当てはめて、遠い方を捨てて、遠い方からカバーに戻す戦い方がいいんじゃないかなと考えています。

――日本にはマンツーマン気味に行くほうが合っている印象があります。

シュタルフ:マンツー気味に行くということは、ポジションチェンジがあった時についていかないといけない。そこを献身的についていくのは、日本人の良さとして持っていると思います。

遠藤航不在で問われる日本代表のリーダーシップ

サッカー日本代表、遠藤航
サッカー日本代表の遠藤航【写真:Getty Images】


――日本代表側の不安要素はありますか。

シュタルフ:三笘薫選手を招集できず、左シャドーの人選も定まっていない。そこに遠藤航選手の離脱が重なり、現在もコンディションに不安を抱えている選手は少なくないと思います。さらにボランチの枚数も限られている。日本代表にも不安要素はありますよね。

 左センターバックで先発する可能性がある伊藤洋輝は、右サイドからのクロス対応に少し隙があることがあるので、注意しないといけません。相手の右サイドのサマービルとラインダース、さらにダンフリースが突っ込んでくるので。彼にはボールに加え、ウイングとシャドー、上がってくるサイドバックの3人を同一視野で捉えて守ることが求められてきます。

――オランダ相手にどういう戦術を選ぶかがポイントですね。

シュタルフ:親善試合のブラジル戦の前半みたいな戦い方だとやられると思うし、後半みたいな戦い方だと勝てると思うんです。ただ、その後半みたいな戦い方をするには勇気も必要ですし、ピッチ内のフィーリングも必要です。

 日本代表のドキュメンタリー映画も見ましたが、戦術を選手の意見を積極的に取り入れながら決めているところがあるようなので、そこでリーダーシップを発揮してコミュニケーションを取っていた遠藤航が抜けて、誰がリーダーシップを取るのか。

 その選手が「どんどんガンガン行こうぜ」というタイプならブラジル戦の後半みたいになるかもしれないし、「まずは開幕戦だし、失点しないところから、しっかりスライドして様子を見よう」というタイプなら、主導権を握られるかもしれない。

 だからこの試合の展開を読むのは、めちゃくちゃ難しいです。ただ、日本代表の選手たちが自分たちの力をしっかり発揮すれば、普通に勝つんじゃないかなと思いました。もちろん、希望的な意味も含めてですが。

――「普通に勝てる」ぐらいの印象を受けたのですね。

シュタルフ:今回の練習試合を見ては、ですね。ただ、ヨーロッパの人は練習試合と本番が全然違うんですよ。日本人は練習試合を公式戦と同じようにできるので、練習試合が得意なところがあると思います。そこをプラスマイナスでどう計算してシミュレーションするか。結局、タイトなゲームにはなると思います。

警戒すべきはクロスとセットプレー

オランダ代表デンゼル・ダンフリース
オランダ代表デンゼル・ダンフリース【写真:Getty Images】


――高さ・セットプレー対策はどうですか。

シュタルフ:間違いないですよね。ただ、オランダの高さはターゲットマンの高さではあまりないと思うんです。怖いのはセットプレーの高さとクロスです。クロスにはウイングやサイドバックが入ってきますし、シャドーの選手も最前線に残っていたり、遅れて突っ込んできたりするので。

 それを考えると、クロスを上げさせないこと、コーナーキックや自陣エリア付近のフリーキックを減らすことが鉄則です。そのためには、高い位置で、なるべく敵陣でプレーすることが大切だと思います。

 日本が3-4-3で、ウイングバックをある程度高い位置に持っていけると、4-3-3のワイドの選手は自陣では引っ張られると思うんです。そうすると、意外と日本がポゼッションを持てるというか、相手陣地に入ってさえしまえば、押し返される要素も少なくなるのかなと思います。
――オランダは日本相手に戦い方を変えるでしょうか。

シュタルフ:対日本で考えて、オランダがとる戦術で一番怖いのは、高さとパワーを活かしてどんどんターゲットや背後にボールを送り、そこからボックスに入ってくる形だと思うんです。得点が必要になり、2点を追い上げた前回大会のアルゼンチン戦の終盤に見せたパワープレーのような形ですね。日本としてはこれが一番嫌だと思います。

 でも見た感じだと、ウイングを使う、もしくは中央突破にこだわっていて、縦に当てて、レイオフして、次のラインに入れる。センターバックからつないで綺麗なサッカーをする。オランダはサッカーにプライドを持っているので、日本相手にあまり蹴ってくる選択はしないんじゃないですかね。

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