
ベースキャンプ地・ナッシュビルで最後のトレーニングを行う日本代表の伊東純也ら【写真:元川悦子】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)で決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)に進んだ日本代表は現地時間6月27日、ベースキャンプ地・ナッシュビルでの最後のトレーニングを行った。チームは29日のブラジル代表戦に向けて、冒頭を急遽非公開にして調整を進め、その後、決戦の地・ヒューストンへ向かった。
今だけお得なキャンペーン実施中のDAZNで視聴する[PR]
スウェーデン戦でひざの痛みを訴えていた伊東純也や冨安健洋らは7対7を実施
日本代表が離れるのを名残惜しむかのように、朝のナッシュビルは時折、強い雨に見舞われた。気温も26度程度と涼しく、選手たちにとっては快適だったが、どこか寂しさを感じさせる気象条件だった。
練習開始予定は午前9時45分だったが、日本は戦術ミーティングを実施。予定以上に時間がかかり、なかなかクラブハウスから出てこなかった。
10時過ぎにようやく1人、また1人と出てきたと思いきや、森保一監督が報道陣の前にやってきて「冒頭を非公開にさせてください。その後はオープンの時間を大きく取りますので」と深々と頭を下げた。
現地時間6月25日のスウェーデン戦から2日後ということで、主力組はまだ疲れが残っている。彼らを早く切り上げさせ、少しでも回復時間を多く取れるように、練習冒頭にブラジル戦対策を実施した方が効率的という判断から、このような形にしたのだろう。
10時半過ぎに再オープンになった時点では、雨雲も離れ、30度超の暑さが戻ってきていた。ピッチ上ではスウェーデン戦で左太もも裏に違和感を訴えたキャプテンの板倉滉がちょうどクラブハウスに引き上げるところだった。
左ひざ負傷で別メニューが続いている久保建英も全体練習に加わっておらず、彼ら2人が2日後の大一番に出場する可能性はかなり低くなったと言っていい。
それ以外の22人と、吉田麻也と南野拓実はウォーミングアップからスタート。いつも通り、ボール回し(鳥かご)でも大いに盛り上がった。
大ベテランの長友佑都からは「ナッシュビル、ありがとう」という声が飛んでおり、試合会場から離れて、静かに集中できる環境を与えてくれたことに感謝を示していた。他の面々も最後のピッチの感触をじっくりと確かめている様子だった。
その後、スウェーデン戦出場組が離れ、堂安律はいち早く引き上げた。鎌田大地、前田大然、中村敬斗、瀬古歩夢の4人、谷口彰悟、田中碧、上田綺世、菅原由勢の4人はそれぞれ軽いランニングでクールダウン。伊藤洋輝は齊藤俊秀コーチとベンチに座って話し込む姿が見られた。
その傍らで、久保は前日同様、トレーナーと左ひざの状態を確認。これまでよりは速いスピードでダッシュをしていたが、復帰できてもラウンド16からになりそうだ。
一方、伊東純也や冨安健洋らは7対7のミニゲームを実施。伊東はスウェーデン戦でひざを強打し、痛みを訴えていたが、大事に至らなかった様子。久保の復帰が険しくなる中、33歳のスピードスターがプレー可能な状態を維持しているのは、指揮官にとっても心強い材料だ。
前の試合で出番のなかった冨安、佐野海舟らが十分な休養を経て、王国との決戦に挑めるのは朗報と言っていい。
佐野も「頭も体もどっちもリフレッシュできていますし、しっかりと自分ができる準備をして試合に向かいたいと思います」と前向きにコメントしていた。
7対7の実戦形式では、塩貝健人が切れ味鋭いシュートをお見舞いし、小川航基もゴール前で存在感を示していた。
ラウンド32からは総力戦。場合によっては延長・PK戦までもつれ込むこともある。板倉や久保が出られないとなれば、彼らのようなサブ組の力が必ず必要になる。ここはしっかりコンディションを引き上げておくことが肝要だ。
そして、午後3時前に日本代表チームはナッシュビルを出発。練習場の前には約100人の熱心なサポーターが押し寄せ、チームに声援を送っていた。
鈴木彩艶や中村は呼びかけに手を上げて応えるなどサービス精神を前面に押し出しており、メンタル的にも良い状態のようだ。
「今回のキャンプ地は過去イチだった」と5大会連続出場の長友も絶賛。最高の環境で良い調整ができたことをブラジルとの大一番に活かさなければいけない。一大決戦はもうすぐだ。
(取材・文:元川悦子)