ブラジル代表戦を前日に控え、最終調整を行う日本代表【写真:元川悦子】
日本代表は現地時間6月28日、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)のブラジル代表戦に向けて、冒頭を報道陣に公開する形でヒューストンで最終調整を行った。
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「自分たちはここで終わるチームじゃない」
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)優勝を目指し、2022年カタールW杯からチーム強化を進めてきた日本代表。その集大成となるのが、ラウンド32のブラジル代表戦だ。
日本代表は決戦2日前の現地時間6月27日夕方に試合会場のヒューストンへ移動し、28日は市内のスタジアムで午後1時からメンバー26人と吉田麻也、南野拓実の合計28人で最終調整を実施。
日当たりに置いた気温計が42度を越え、計測不能になるほどの酷暑の中、選手たちはヒューストンという新たな環境を体感した。
14日のオランダ戦で左ひざを負傷した久保建英はこの日も全体練習に加わらず、別調整を強いられた。
記者会見にのぞんだ森保一監督は「久保は明日プレーしません」と明言。彼自身が目指してきた決勝トーナメントからの復帰は残念ながら叶わなかった。
一方、25日のスウェーデン戦で左太もも裏に違和感を訴えた板倉滉は冒頭の円陣から参加。最初のランニングでは長友佑都や堂安律らと先頭で走り、ウォーミングアップ、ボール回し(鳥かご)、2人1組のロングパス練習も全てこなしていた。
その後、クローズになり、戦術確認やリスタートの練習に全て参加したかどうかは未知数だが、本人は「ブラジル戦で必要な場面があったらやります」と堂々と宣言。プレー自体は可能な状態のようだ。
ただ、リスクを抱える選手を森保監督がスタートから起用するとは考えにくい。今回は2025年10月に東京で勝利した時に最終ラインを統率した谷口彰悟がスタートから出るだろう。
「すごく良い集中力を保って中3日を過ごせたし、チームの雰囲気も『しっかりブラジルを食ってやる』という強い思い、そこに対しての細かい対策も十分確認できているので、明日の試合が楽しみです」と34歳のベテランCBは自信を見せていた。
前日練習は1時間程度で終了。選手たちは1人、また1人と練習場を後にしたが、普段は決戦前に闘志を口にするエースナンバー「10」の堂安律が「明日話します」とだけ言い残してバスに乗ったのが印象的だった。
堂安にしてみれば、10番を背負って戦うこのブラジル戦を「自身の代表キャリアの成否を左右するくらいのビッグマッチ」と捉えているのかもしれない。
今回のワールドカップが最後になるだろうと公言する33歳、伊東純也も「今までのサッカー人生で一番重要な試合?それはそうですね」と話していたが、やはり堂安や他の選手たちにとってもこの一戦の重要度は他とは比べ物にならないレベルに違いない。
森保監督はこの日の会見でも「我々はダークホースの優勝候補国。その位置づけで戦っていきたい」とチャレンジャー精神を前面に押し出したが、そのマインドを堂安らが中心となってピッチ上でしっかりと表現していけば、ブラジルと言えども簡単には勝てないはず。
ブラジルは昨年の敗戦を糧に「同じ轍は踏まない」と目の色を変えて向かってくるだろうが、そういう相手を倒してこそ、日本の進化を実証できるのだ。
試合会場のヒューストン・スタジアムでトレーニングできず、ぶっつけ本番になるのはやや不安もあるが、空調の効いた室内競技場でプレーできるのは朗報。
森保監督も「コンディションの部分は気にしていない」と胸を張ったが、走力や守備のハードワーク、組織力や一体感では日本の方が上だろう。その強みを活かしながら、賢い戦いをするべきだ。その準備はすでにできているに違いない。
久保を大会に戻すためにもここで終わるわけにはいかない。「自分たちはここで終わるチームじゃない」と板倉も言うように、全員が生き残ろうと必死で強敵にぶつかっていくはずだ。
(取材・文:元川悦子)