
北中米W杯を戦うベルギー代表【写真:Getty Images】
目下、北中米W杯を戦うベルギー代表。1980年代や2010年代の「黄金世代」を経て、今大会はケビン・デ・ブライネら熟練のスターとジェレミー・ドクら新鋭が融合した新たな局面を迎えている。伝統の「慎重さ」と現代的な「攻撃性」が同居する彼らの現在地を、W杯での歴史的記録や最新の戦績を交えながら、その「つかみどころのない強さ」の正体に迫る。(文:西部謙司)[2/2ページ]
「ロストフの悲劇」にみるチーム戦術

ロシアW杯の「ロストフの悲劇」【写真:Getty Images】
正確なパスワークと機動力で攻撃力のあるチームだったが、ブラジルに勝利した試合は徹底的にブラジルの長所を削り、反転速攻で仕留めるという実にベルギーらしい戦い方だった。
ラウンド16の日本戦は0-2のリードを許した後、通常のプレースタイルを捨ててハイクロスを放り込み続けて追いついている。終了寸前のカウンターからの勝ち越し点については、多くの日本ファンの記憶に「ロストフの悲劇」として刻まれていることだろう。
ベルギーはオランダのように自分たちのスタイルで押し切ろうとはしないし、慎重に相手に応じて対策、対応策を講じた方が勝てている。
アザール、メルテンス、デ・ブライネ、ルカクを擁した第2次黄金期は攻撃陣が豪華だったが、グループステージでは攻め込みながらもアタッカーが渋滞して出来は良くなかった。ノックアウトステージに入ってから守備から入るスタイルで勝ち上がっている。
今回のベルギーは攻撃型だが、ドクの一時離脱などもあってニュージーランド戦以外では苦戦した。ラウンド32の相手はセネガル。互いにグループステージ最終節では大勝を収めている。
相手に合わせるあまり自らも消沈してしまうのが今大会のベルギーだが、その意味では今回の一戦で打ち合いを演じる可能性もある。
(文:西部謙司)
【著者プロフィール:西部謙司】
1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン)、近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。
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