2026/27シーズンへ始動した柏レイソル【写真:編集部】
柏レイソルが新シーズンに向け、総勢38人の大型編成を敷いた。AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)初参戦に加え、Jリーグ、天皇杯、ルヴァンカップを含めた4大会を戦う今季は、過密日程への対応力が成績を左右する。リカルド・ロドリゲス監督は“すべてのタイトル獲得”を目標に掲げる。大所帯の編成には、選手層の拡充だけでなく、チーム内競争を促し、総力戦でシーズンを勝ち抜く狙いが込められていた。
4つの大会を戦い抜くための大所帯編成

2026/27柏レイソル新体制発表会に臨んだリカルド・ロドリゲス監督【写真:編集部】
7月4日、三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソルが新体制を発表した。会場には2890人ものサポーターが詰めかけ、新シーズンへ向かうチームに大きな期待を寄せた。
今シーズン、柏はAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)に初参戦する。前身のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)となると8季ぶりとなる。
国内だけでなく、アジアでの戦いも加わる過密日程を前に、山崎和伸社長は「今シーズンはアジアでの戦いもあり、非常に過密なスケジュールになります。そういうときこそ、選手、スタッフだけではなく、クラブに関わるすべての人、そしてサポーターの皆さんの力を結集して戦っていきたいと思っています」と、サポーターたちに呼びかけた。
リカルド・ロドリゲス監督も、会見で今季の目標を明確に示している。
「今シーズンは4つの大会を同時に戦うことになります。クラブとして、我々が目指しているのは今シーズンだけではなく、その次も、そのさらに次も、毎年ACLで戦い続けることです。そのためにも、Jリーグで優勝争いに絡み続け、優勝を目指すことが最も重要だと考えています。
同時にACLでも優勝し、アジアのチャンピオンを目指していきたい。そして天皇杯、ルヴァンカップも含め、4つの大会すべてでタイトルを目指して戦い続ける。それが我々の今シーズンの目標です」
4つの大会すべてで上位を目指すとなれば、年間で50〜60試合を戦う可能性がある。今季開幕前のスカッドは総勢38人。
さらに2027年1月には、常藤奏(中央大学)、古谷柊介(東京国際大学)が加入内定と、かなりの大所帯となったが、そこには明確な理由がある。
2025シーズンは最後まで鹿島アントラーズと優勝争いを演じながらも、最終的には2位に終わった。一方で、百年構想リーグでは下位に低迷。布部陽功フットボールダイレクターは、サポーターに向けてその要因をこう説明している。
「原因としては、シーズン序盤にトレーニングで積み上げることができなかったことがあります。1月、2月には体調不良もあり、多くの選手が揃わない状況もありました。その反省を踏まえ、今回のチーム編成を進めてきました」
大所帯が生む競争と一体感の難しさ

2026/27柏レイソル新体制発表会に臨んだ小泉佳穂【写真:編集部】
リカルド監督も、今季のチーム編成についてこう語る。
「高いレベルの戦いが続く以上、弱点になり得るポジションがあってはいけません。すべてのポジションで高いレベルの競争ができるよう、各ポジションに3人、多いところでは4人の選手を揃えています。
長いシーズンではケガや体調不良、累積警告もあります。2025年に大きなケガをした選手がどこまでパフォーマンスを戻せるかも未知数です。選手層がなければ、このシーズンを戦い抜くことはほぼ不可能です」
人数が増えれば、自然と競争は激しくなる。小泉佳穂は「層が分厚くなった」と語り、今季の過密日程を見据えてこう続けた。
「今日スケジュールを見ましたけど、本当にとんでもない過密日程です。だからこそ新加入選手と早く考え方や戦い方を共有して、いち早く良いチームになれればと思っています。それが前半戦ではマストなテーマになってくる」
ゲームキャプテンを務める古賀太陽は、大所帯のチームならではの懸念点も挙げていた。
「(練習でも)一緒にプレーしない選手もすごく増えてくると思うので、会話はすごく大事になってくる。試合に絡めていない選手たちを引っ張り上げていく、基準を上げてくれるような選手は必ず必要になってくると思います。そこの雰囲気づくりは、僕も含めてやっていけるようにしたいです」
一方ゴールキーパー(GK)陣は、ジェフユナイテッド千葉から若原智哉が加入し、競争が増すことが予想される。2025シーズンからチームに加入し、正GKとしてゴールマウスを守る小島亨介は、GKのメンバーをひとつのチームとして捉えている。
「GKチームとしても競争力をもっと高めたいと思っています。若原選手も加入して競争はさらに激しくなります。一つのポジションを全員が奪いに行く。その競争がチームを強くすると考えています」
リカルド体制3季目、問われる総力戦

2026/27柏レイソル新体制発表会では新加入選手もお披露目された【写真:編集部】
38人という大所帯は、単なる人数合わせではない。過密日程を乗り切るための保険であり、各ポジションの基準を引き上げるための競争装置でもある。
だが、その一方で出場機会を得られない選手をどう巻き込み、チーム全体の熱量を保つかという難しさもある。
4つのコンペティションを戦う柏に問われるのは、選手層の厚さだけではない。大所帯をひとつのチームとして機能させるマネジメント力だ。
その役割を担うのは、監督やスタッフだけではない。各ポジションの中心選手、試合に絡む選手、出場機会を待つ選手まで含めて、チーム全体が同じ基準を共有できるかが問われる。
もちろん、参加する大会すべてで勝ち続けることは簡単ではない。それでも、いずれかのタイトルに手が届けば、柏にとって2019年のJ2リーグ優勝以来の大きな成果となる。
秋春制となるJリーグ、そして初参戦のACLE。柏は新たな歴史に、どんな1ページを刻むのか。新しいステージへの戦いは、もう始まっている。
(取材・文:高橋大地)
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