昨季、明治安田J1リーグで優勝争いを演じた柏レイソルがピンチだ。J1百年構想リーグで6連敗中と不振にあえいでおり、ついにEASTの最下位に沈んでしまった。この現状にMF小泉佳穂は何を感じるのか。披露しているサッカーは間違っていない。だからこそ…。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
明治安田J1百年構想リーグ・地域ラウンドEAST第15節
柏レイソル 0-1 浦和レッズ
三協フロンテア柏スタジアム
不振にあえぐ柏レイソル
明治安田J1百年構想リーグも最終盤を迎え、2025年のJ1王者・鹿島アントラーズがEAST首位を快走。タイトル獲得に向けて、再びギアを上げつつある。
一方で、昨季、鹿島と最終節まで優勝争いを演じた柏レイソルが想像以上の不振にあえいでいる。
今季の彼らは開幕3連敗からスタート。3月に入ってようやく白星先行状態になったが、4月11日のFC町田ゼルビア戦以降は再び黒星街道に舞い戻り、5月3日の東京ヴェルディ戦まで5連敗を喫した。
しかも、その間のゴールが4月26日のFC東京戦で中川敦瑛が決めたミドル弾1本のみということで、深刻な得点力不足に直面しているのだ。
5月6日のホーム・浦和レッズ戦は何としてもゴールを奪って勝ち切りたいところ。リカルド・ロドリゲス監督もスタメンを3枚入れ替え、重要な一戦にのぞんだ。
だが、浦和も田中達也体制で2連勝を復調傾向にあり、この日もいい形で試合に入った。
ついにEAST最下位に転落
守備時は4-4-2をベースにしながら、攻撃時は3バックにシフトする可変システムがうまくハマり、主導権を握ったのだ。
となれば、柏は守勢に回らざるを得ない。
最前線の垣田裕暉にボールが収まらず、シュートもわずか2本のみ。シャドウの一角に陣取った小泉佳穂もフィニッシュのチャンスがないまま45分を終えることになった。
0-0で迎えた後半。柏は山之内佑成に代えて三丸拡を左WBに投入。左サイドを活性化しながら攻め込む時間帯が増えた。
開始5分には左CKの流れから小泉も惜しいミドルシュートを放つなど、得点への強い意識を前面に押し出した。
その直後には原川力も決定機を迎えたが、得点には至らない。
あと一歩、詰め切れない柏をあざ笑うかのようにワンチャンスをモノにしたのが浦和だった。
58分、マテウス・サヴィオの左からのサイドチェンジを起点に、金子拓郎、中島翔哉、石原広教らがいったん中に攻め込み、2次攻撃を発動。最終的に中島の絶妙のクロスが中に入り、飛び込んだ渡邊凌磨が打点の高いヘッドをお見舞い。ゴールネットを揺らしたのである。
「後半は修正して、前半に比べていいプレーができるようになっていた。が、先に失点して試合を難しくしてしまった」
ロドリゲス監督はそう語ったが、何とか巻き返しを図るしかない。
エース・細谷真大や小西雄大、瀬川祐輔ら持ち駒を次々と投入。細谷にボールを集めるが、浦和もそれを想定していたのか、ラスト15分は5バックにシフト。徹底的に跳ね返してくる。
この堅牢な守備を柏は最後の最後まで打ち破ることができず、この日もノーゴールのままタイムアップの笛。0-1で6連敗となり、この日、FC東京を破ったジェフユナイテッド千葉に変わってEAST最下位に沈んだのである。
「チームのスタイルが間違っているとは思わない」
「今日に関して言うと、チームとしては比較的よくやれていたと思う。いいところまでボールを運べていただけに、自分のクオリティが足りない場面が沢山あったので、監督にもスタッフにもサポーターにもチームメートにも申し訳ないですね」
試合後、取材ゾーンに姿を現した小泉は苦渋の表情を浮かべた。
出場停止だった4月29日のFC東京戦を除き、全試合シャドウでスタメン出場している分、勝てないチームの責任をひしひしと感じているのだろう。
「積み上げているもの自体に疑いはないし、チームのスタイルが間違っているとは思わない。惜しいところまで行っているのは事実なんで。でもそれを『惜しい』で終わらせないために何が必要なのかをもっと考えないといけないですね。
もちろんクオリティには向き合わないといけないとは思いますけど、迷いというか、自信のなさが1つひとつの判断とか質を下げている部分もあるのかなと。こういうしんどい状況に打ち勝って、自分の100%を出せていないことが本当に情けないです」
小泉は6連敗という結果が迷いや不安、怖さを生んでしまっている現状を吐露した。
それは彼だけでないだろう。今季1ゴールにとどまっている細谷、垣田の両FWは特にそうではないか。
「今日もゼロで終わっていますし、流れの中で1点を取れないところが今年の弱さ。やっぱりFWが点を取らないと勝てないので、FWの自分の責任だと思います」
細谷はそう伏し目がちに語ったが、前線のアタッカー陣は今、全員が心身両面で難しい状況にあるのは事実だ。



