
ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)ラウンド16、ブラジル代表vsノルウェー代表が現地時間6日に行われ、2-1でノルウェー代表が勝利を収めた。その勝因はエースの決定力や守護神の好守だけではない。チームとして徹底したゲームプランこそが、王国撃破を引き寄せた最大の要因だった。(文:安洋一郎)[1/2ページ]
ノルウェー代表がブラジル代表に勝利
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ブラジルー対ノルウェー【写真:Getty Images】
ノルウェー代表FWアーリング・ハーランドが、世界最高のストライカーであることを証明した試合だった。
79分にDFガブリエウ・マガリャンイスの死角から飛び込み、豪快なヘディングシュートを叩き込むと、90分にはペナルティーエリア手前から低弾道のミドルシュートを逆サイドに突き刺した。
ハーランドにしか決められない2ゴールで、王国ブラジルを沈めた。
ブラジル相手に勝利を収めることができたもう一人の立役者がGKエルヤン・ニーランだ。
14分にブルーノ・ギマランイスのPKをストップすると、その後もビッグセーブを連発。2025/26シーズンは所属するセビージャで控えに甘んじたが、「乗せると止まらないタイプ」のGKである彼が何度もチームのピンチを救った。
両ゴール前でのクオリティが勝敗を分けたことは間違いない。
ただ、試合の流れを作ったのは、個の能力ではなく、ボールを保持し続けるというチーム全体の戦略だった。
ボールを保持することにこだわったゲームプラン

ノルウェー代表のストーレ・ソルバッケン監督【写真:Getty Images】
ストーレ・ソルバッケン監督は試合後の記者会見で、「相手がどれほど危険か分かっていたから、ボールをキープし、長い攻撃を続け、相手が疲れるまでひたすらプレーし続けなければならなかった。そのタイミングで、とどめを刺す必要があった」とコメントしている。
ボールを保持してブラジルを走らせ、守備で消耗した終盤に勝負を仕掛ける。これがノルウェー代表のゲームプランであり、指揮官の狙いが噛み合ったことが勝利につながった。
実際にこの試合でノルウェー代表は、今大会では最高となる66%の保持率を記録した。
彼らは前半の早い時間帯から、カウンターのチャンスでも無理に攻め急がず、フィニッシュまで持ち込めないと判断すれば試合をコントロールすることを優先して遅攻を選択した。
GKからの前進の場面では、これまでの試合と同じくニーランから右WGアレクサンデル・セルロートへのロングボールを起点にしつつ、状況に応じてはボランチのMFサンデル・ベルゲがサリーする形で保持に移るなど、相手に狙いを絞らせない柔軟なビルドアップでポゼッションを安定させた。
これは無駄なロストを減らし、ブラジル代表が最も得意とするカウンターの回数を減らす狙いがあったと考えられる。
ハーフタイムでの選手交代による修正

ノルウェー代表FWアンドレアス・シェルデルップ【写真:Getty Images】
細心の注意を払いながらも、前半は何度か危険なカウンターを受けてしまった。その代表的なシーンが10分にPKを献上した場面である。
左WGアントニオ・ヌサへのパスをブラジル代表FWライアンに奪われ、そのまま速攻を許した。
この場面をはじめ、ヌサはブラジル代表の複数の選手に囲まれるなど、狙われるシーンが多かった。
実際に前半だけで12回のロストを記録しており、ソルバッケン監督はハーフタイムに修正を敢行。ヌサとセルロートをベンチに下げ、オスカー・ボブとアンドレアス・シェルデルップを投入した。
この交代によってノルウェー代表の保持への意識はさらに強まり、後半はポゼッションの時間が増え、パス成功数も伸びた。
ノルウェー代表が自分たちの狙いをより鮮明にする交代策を講じた一方で、ブラジル代表は逆に流れを失ってしまった。