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現役JリーガーはW杯をどう観ているのか。小泉佳穂、小島亨介、若原智哉が受けた刺激と“柏レイソルへのヒント”

text by 高橋大地 photo by Editor
柏レイソル 26/27シーズン新体制発表会 小泉佳穂

新体制発表会に臨んだ柏レイソルの小泉佳穂【写真:編集部】



 柏レイソルの選手たちは、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)をどのように観ているのか。小泉佳穂は新シーズンに向けて「過去一番、モチベーションが高い」と語り、その背景にW杯から受けた刺激があったことを明かした。オフシーズンにDAZNで解説を務めた小泉は世界の戦いから何を読み取り、柏にどう還元しようとしているのか。さらにGK小島亨介や新加入の若原智哉も、それぞれの立場でW杯から刺激を受けていた。

「自分のチームを見ているようだ」小泉佳穂がW杯から探したヒント

 柏レイソルの新体制発表で、小泉佳穂は「過去一番、モチベーション高くシーズンインを迎えているかなという感じです」と、新シーズンへの高い意欲を口にした。

 その理由の一つとして、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)の存在を挙げている。小泉はDAZNでトルコ対オーストラリアの解説も務め、ボールを支配しながらも敗れたトルコについて「自分のチームを見ているようだ」とコメントし、柏サポーターの間で話題になった。

「僕は常にヒントになるものがないかなという目で見ています。トルコの良いところも悪いところもすごく勉強になりました」と、小泉は言う。

 小泉は、世界のトップレベルの試合から柏レイソルに還元できるものを探していた。だからこそ、ナショナルチームの試合でも、自分たちに置き換えて観ている。

 例えば、ボールを保持して押し込んだときに相手のブロックをどう崩すかというテーマがある。柏はリカルド・ロドリゲス監督の下で、ボールを保持しながら相手陣内へ押し込むスタイルを追求してきた。

 一方で、相手が低く構えたとき、どのように崩し切るかは、チームとして向き合い続けている課題でもある。

「共通しているのはアルゼンチンにしても、ブラジルにしても、ブロックを固められると、どんなにスーパースターがいたり、強い国でも本当に苦しむというのは、現代サッカーの常だと思っています。

 それに対してどうゲームを進めていくかは、ボールを保持して、押し込んで、攻めて勝っていきたいのであれば、避けられないポイントになるかなと思って見ていました。ブラジルみたいにヴィニシウスのような圧倒的な個がいて、そこで剥がすのも良いですし、そこから引きつけて、他のところで優位性を作ってクロスを上げて、そのクロスに対して飛び込んでいくようなやり方も一つ」と言えば、アルゼンチンに関しても言及した。

「アルゼンチンみたいにメッシに預けるのも一つだと思います。そういう意味で、いろいろな戦い方が見られて、いろいろな引き出しが増えていくような感じがします。その引き出しの中から、自分たちのチームや相手との兼ね合いで、良いものを見つけられれば、僕らも良いのかなと思って見ていました」

 小泉は、北中米W杯の優勝候補としてフランス代表を挙げている。ただ、好みのチームは別にあるようだ。

「モロッコ、イングランドは、すごく僕好みのチームとしての戦い方でした。ボールをしっかり保持しながら、良い関係を築きながら前進していって、チャンスをたくさん作る。攻撃も守備もですけど、誰かに依存することなく、全員でしっかり撤退して、堅くゲームを進めるところが、本当に強いチームだと思いますし、僕らにも参考になるかなと思って見ていました」

 北中米W杯から刺激を受けているのは、小泉だけではない。

小島亨介が見た“勇気あるGK”とは

柏レイソル 小島亨介

柏レイソルの小島亨介【写真:編集部】


 今季の柏はAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)にも参戦する。GK小島亨介は、国内とは異なる相手、異なる環境での戦いを、守護神として経験するはじめての挑戦になる。

「国が違うというところで、選手も違いますし、戦い方も変わってくると思います。その中で自分たちがどれだけ通用するのかは、まだ未知な部分があります。ただ、しっかり自分たちのスタイルを出すということで、相手の土俵に乗らない。自分たちのサッカーをして勝つことが、アジアの舞台でもできれば、クラブとしても、一個人の選手としても価値が高まると思います。恐れずに、勇気を持って挑みたいなと思っています」

 そんな小島が北中米W杯で印象に残った選手として名前を挙げたのは、カーボベルデ代表のGKヴォジーニャだった。

「(カーボベルデは)初出場なのに、めちゃくちゃ落ち着いていました。なかでも、ヴォジーニャはゴールキックからくさびのボールのようなものを何本か入れていましたし、守備範囲も広くて、クロスにもどんどん出ていっていました。

 初出場だから、自分のベストパフォーマンスを出すのはなかなか難しいと思うんですけど、見ていてすごく勇気があるな、と。自分の力を出そうとしているなというのがすごく感じられました。僕もACLEを初めて戦いますけど、勇気あるプレーはチームにも良い影響を与えると思います。見ていて、すごく参考になりました」

 今季、ジェフユナイテッド千葉から新加入のGK若原智哉もまた、北中米W杯から強い刺激を受けている。

若原智哉が感じた現在地。鈴木彩艶の活躍と日本代表への思い

柏レイソル 若原智哉

柏レイソルの若原智哉【写真:編集部】


 特に意識したのは、大迫敬介といった同世代、鈴木彩艶といった近い年代のGKたちの存在だった。

「同い年のサコ(大迫敬介)がメンバーに入ったりして、自分が遅れているというか、置いていかれているなという印象が本当にありました。慣れた地のジェフでやるか、それとも新しいところでチャレンジするかを考えたときに、自分のために新しいところで頑張らないと、成長しないんじゃないかなと思って移籍しました」

 今回の日本代表で素晴らしいパフォーマンスを見せた鈴木は、かつてアンダー世代で、飛び級で選出されており、若原とは切磋琢磨した関係性でもある。身近な存在の活躍に「彩艶、すごいですね。すごかったです」と率直に話す。

「だいぶ刺激をもらえました。一緒にやっていた選手が、世界トップレベルで本当にプレーしているのはすごいことなので、自分もそこに行きたいなと思いました」

 若原は、柏での挑戦の先に日本代表という目標も見据えている。

「まずはレイソルでしっかり活躍して、本当にこのチームに必要だと思われるような存在にならないといけないと思っています。日本代表はまだ諦められないので、そこに到達するために、ここで足りないものを新しく見つけて、自分の成長につなげていければいいかなと思います」

 W杯は、選手たちにとって遠い世界の祭典ではない。小泉にとっては柏の攻撃を進化させるための教材であり、小島にとってはACLEへ向かう勇気の源であり、若原にとっては自分の現在地を突きつけられる舞台でもあった。

 世界の戦いから何を感じ、柏の新シーズンにどうつなげるのか。シーズン開幕前の言葉から見えてきたのは、選手たちがそれぞれの立場でW杯を“自分ごと”として受け止めていたということだった。

(取材・文:高橋大地)

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