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欧州から見た日本代表は「全員が平均的」。上田綺世も久保建英もまだまだ…。良いチームだが強くはない現実的評価【北中米W杯コラム】

北中米W杯 ブラジル×日本 1-2で敗れた日本代表
【写真:Getty Images】



 日本代表のFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)は、またしても決勝トーナメント1回戦で幕を閉じた。ブラジル代表を相手に先制し、世界最多5度の優勝を誇る王国を追い詰めながらも、後半に逆転を許して敗退。イタリアでは、日本の組織力や献身性を評価する声がある一方で、世界の頂点に届くために必要な「個」の不在も指摘された。元イタリア代表の解説者たちは、サムライブルーの現在地をどう見たのか。(文:佐藤徳和)[2/2ページ]

規格外の個という壁

北中米W杯 GS第2節 vsチュニジア サッカー日本代表 上田綺世
上田綺世はエールディビジの得点王だが…【写真:Getty Images】



「怪物」を示すフェノーメノ、「一流」「トッププレーヤー」を表すカンピオーネの中間に該当する言葉だと言えるだろう。

 現在の日本人選手で最も評価の高いプレーヤーといえば、負傷により代表選外となったブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCの三笘薫だろう。

 しかし、日本人の感覚ではフオリクラッセに映る存在であっても、欧州の評価ではカンピオーネの域にとどまるという見方もある。

 24/25シーズンには10ゴールを挙げ、プレミアリーグで初の二桁得点を記録したが、25/26シーズンはケガの影響もあり3ゴールにとどまった。

 久保建英についても同様の評価が当てはまる。

 リーガ・エスパニョーラのレアル・ソシエダに所属し、RCDマジョルカから移籍した1年目の22/23シーズンは9ゴールを記録したが、その後は年を追うごとに得点は減り、25/26シーズンは2ゴールに終わっている。

 フオリクラッセと呼ばれるためには、FWであればシーズンを通じて少なくとも15ゴール前後を安定して記録する必要があるだろう。

 上田綺世は日本人選手として史上初のエールディヴィジ得点王となったが、リーグの評価水準も踏まえると、フオリクラッセと呼ばれるには至らない。

 さらに上のステージでの継続的な得点が求められる。

 世界最高峰のリーグ、プレミアリーグ得点王に輝いた韓国代表ソン・フンミンのような、絶対的な得点力を示す存在が一つの基準となる。

 上田には多くのビッグクラブからオファーが届いているとも言われており、4年後の次のW杯までにさらなる成長を遂げ、フオリクラッセと呼ばれる存在へと到達することが期待される。

個性の際立った選手をどう育てるか

北中米W杯戦力値ランキング
エンバペやメッシのような強烈な存在は…【写真:Getty Images】



 ワールドカップを制すには、組織力や指揮官の采配力に加え、個々の力も不可欠だ。

 世界レベルの選手層に加え、フオリクラッセ、あるいはフェノーメノと呼ばれる選手がいなければ、世界の頂点には立てない。

 リオネル・メッシやキリアン・エムバペといった“怪物”を擁しているか、あるいは2006年大会のイタリア、2010年大会のスペイン、2014年大会のドイツのように、“規格外の選手”を何人も抱えつつ、組織力でも他を凌駕する必要がある。

 残念ながら日本は、平均レベルの選手層は整っているものの、突出した個の存在が不足していると言わざるを得ない。

 第2戦チュニジア戦後には、グラツィアーニが興味深いコメントを残していた。

「技術的にもフィジカルの面でも、日本の選手は似たタイプが揃っている」

 これは言い換えれば、「日本には個性の際立った選手が少ない」という見方の表れでもある。“没個性”と捉えられてもおかしくはない。

 元オランダ代表のラファエル・ファン・デル・ファールトは「日本人選手はみんな同じように見える」と発言し物議を醸したが、グラツィアーニの指摘は、外見ではなく、スタイルの均質性に向けられている。

 プレースタイルが似通っていれば、守備側としては対応しやすくなるものだ。

 育成においては今後、フオリクラッセや個性的な選手をいかに輩出できるかが課題となる。

 ただし、それは決して容易なことではない。

まずはアジアカップ王座奪回へ

ブラジル代表戦後に円陣を組むサッカー日本代表
次に目指すべきはアジアカップの奪還【写真:Getty Images】



 志半ばで夢破れた日本だが、幸いにも挽回のチャンスはすぐに訪れる。

 来年1月7日に開幕するAFCアジアカップだ。

 アジア最強と称される日本だが、この大会ではアルベルト・ザッケローニ監督が率いた2011年大会以来、3大会で優勝から遠ざかっている。

 アジア・サッカー連盟(AFC)加盟国の成績を見ても、通算28試合で3勝9分け16敗と壊滅的な結果に終わった。

 その3勝は日本、韓国、オーストラリアがそれぞれ挙げたものだ。

 オセアニア勢のオーストラリアを除けば、実質的にアジア勢としてノックアウトステージに勝ち進んだのは日本のみである。

 この“弱小”アジアを制することなく、「世界一を目指す」とは言えないだろう。

 まずはAFCアジアカップ王者奪回が、日本代表に課せられた第一の目標となる。

(文:佐藤徳和)

【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru

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