
初の自叙伝『がむしゃら なぜ俺は、こんなに走るのか——。』の発売記念イベントに登壇した日本代表の前田大然【写真:編集部】
サッカー日本代表の前田大然が7月10日、都内で初の自叙伝『がむしゃら なぜ俺は、こんなに走るのか——。』の発売記念イベントに登壇した。イベントでは、ファンへサイン本を手渡し、交流を楽しんだ一方、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)を終えた現在の心境や、世界の強豪と戦って見えた課題、今後への思いについて率直に語った。
「もっと個を磨いて」ブラジル戦で見えた世界との差
前田大然は2度目のワールドカップ(W杯)で、4試合中3試合に先発し、グループステージ第3節のスウェーデン戦では先制点をマーク。2022年のカタールW杯に続く2大会連続のゴールを挙げた。
W杯を終えた今の心境について、「W杯から帰ってきたら時差もあって朝早く起きてW杯を見て、悔しい気持ちになっていたんですけど、今は割ともう次に向かっていけているかなと思います」と振り返った。
大会中の活躍もあり、自叙伝『がむしゃら なぜ俺は、こんなに走るのか――。』は重版が決定。反響を問われると、「いや、あんまり言われてなくて。代表の選手やったら、(鎌田)大地くんに、『こんなんいらんやろ』、みたいに言われました。でも、たくさんの人にとってもらえたら嬉しいなというふうに思っています」と笑顔を見せた。
2度目のW杯を終え、4年後を見据えるのではなく、「まずは目の前の1日1日を大事にして、その先に4年後のW杯があると思うので、まずは自チームでしっかり結果を残せるようにしたい」と語った。
ブラジル代表との敗戦を経て、日本代表内でも「個の力」が課題として挙げられた。前田自身もその思いは強くなったという。
「前回のカタール(W杯)のときも、もっともっと個(の力)をつけて次のW杯へという思いでやってきました。でも、まだまだ足りないと思うので、もっと個を磨いて、その先のW杯で成長した姿を見せられればいいかなと思います」
その個の部分については具体的に必要だと感じたのは「1人でゴールを取りに行く力」と話し、こう続けた。
「特にブラジルと戦ったときに感じました。ヴィニシウス・(ジュニオ―ル)選手が、みんなで止めに行ったのに1人で打開するところを見て、それぐらい個の力をつけないとW杯でこれ以上、上に行くことはできないと思ったので、1人でゴールに直結できるような選手になりたいなと思いました」
前田は、勝ち上がる国々を見ていて、感じるものがあるという。
「必ず上にいるチームは1人で打開できる選手がいる。特にフランスなんかはそれが何人もいるので、そういうチームにならないとこれから日本が上へ行くのは難しいなと思う。もっともっとそういう選手が日本から、僕も含めてですけど、出ていかないといけないと思います」
世界との差を感じた一方で、自身の今後についても質問が及んだ。
「プレミアでやりたい」。前田大然が語った今後と変わらない原動力

今夏の去就については、「僕自身、プレミア(リーグ)でやりたいというのはずっと言ってきました。でも、自分のいる場所で、またやるだけだなというふうに思っています」と所属するスコットランド1部のセルティックとの契約を1年残す中、自身が以前から口にしているプレミアリーグ挑戦への思いについては、変わらない姿勢を示した。
大会前、「がむしゃらに頑張ります」と語っていた前田は、その自己評価についても率直に振り返った。
「がむしゃらに関しては、がむしゃらに戦えたかなと思います。ただ、それだけでは世界との差は埋まらないと思うので、この『がむしゃら』は大事にしながら、もっと違うところを磨いていきたいと思います」
また、前田自身の原動力についてはこのように答えている。
「本当にいろんな人生を送ってきて、その中でつまずいたときにたくさんの人が支えてくれたので、そういう支えてくれた人のためにもと思って、W杯もそうでしたし、日々チームで戦っています。そういった人たちには感謝したいと思います」
その思いは今後も変わらない。
「今も別に変わらず、このままとにかく、がむしゃらに戦いたいなと思っています」
世界との差を痛感したW杯。それでも前田は「がむしゃら」という武器を大切にしながら、さらに「個」の力を磨き、次の戦いへ歩みを進めていく。
(取材・文:竹中愛美)
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