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コラム 3時間前

なぜ「イタリアの未来」はドイツへ? ドルトムントの若手3人が突きつける“逸材流出”の現実

ボルシア・ドルトムント(FC東京戦スタメン)
ボルシア・ドルトムント(FC東京戦スタメン)【写真:Noriko NAGANO】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)出場を逃し、再建に踏み出したイタリア代表。その次代を担う候補として注目されるのが、ボルシア・ドルトムントで成長するルーカ・レッジャーニ、サムエーレ・イナシオ、フィリッポ・マネの3人だ。6月の代表活動では、24人の招集メンバーのうち、同一クラブ最多となる3人がドルトムントから選出された。日本ツアーでレッジャーニ本人に話を聞き、ドイツで育つイタリア人有望株の現在地と、自国クラブが直面する逸材流出の構造を読み解く。(取材・文:佐藤徳和)[1/3ページ]

イタリア代表の未来を託された3人の“ドルトムント組”

ドルトムント サムエーレ・イナシオ
ドルトムント サムエーレ・イナシオ【写真:Getty Images】


 ドイツ・ブンデスリーガの強豪、ボルシア・ドルトムントの日本ツアーが終了した。7月29日のセレッソ大阪戦には0-1で敗れたものの、1日のFC東京戦では1-0で勝利を収めた。

 日本では、ガンバ大阪から期限付き移籍した山本天翔、そしてイングランド代表ジュード・ベリンガムの弟であるジョーブが大きな注目を集めたが、このドルトムントは、イタリア代表の将来を考えるうえで、無視できないクラブとなっている。

 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)出場を逃したイタリア代表では、ジェンナーロ・イヴァン・ガットゥーゾ監督が辞任。その後、シルヴィオ・バルディーニが暫定監督として就任し、6月の2試合を指揮した。

 W杯出場を逃したイタリアにとって、この2連戦は再建に向けて若手を試す場となった。

 バルディーニ暫定監督は、ルクセンブルク戦とギリシャ戦に向けて若手を中心としたメンバーを招集。この2連戦には、ドルトムントでプレーするサムエーレ・イナシオ、フィリッポ・マネ、ルーカ・レッジャーニの3人が名を連ねた。

 GKジャンルイージ・ドンナルンマを含む24人の招集メンバーの中で、イタリア国内外の全クラブを通じて最多選出となる3人をイタリア代表へ送り込んだのがドルトムントだったのである。

 イタリア代表の新監督には7月28日、ロベルト・マンチーニの就任が正式に発表された。マンチーニにとっても、ドルトムントは目が離せないクラブとなることは間違いない。3選手の動向を継続的に注視していくことになるだろう。

18歳でブンデス最年少弾、急成長するレッジャーニ

ドルトムント ルーカ・レッジャーニ
ドルトムント ルーカ・レッジャーニ【写真:Getty Images】


 1メートル94の恵まれた体躯を誇るレッジャーニは、2008年1月9日、フェラーリの街として知られるモーデナの生まれだ。USサッスオーロの下部組織出身で、2024年1月にドルトムントへ完全移籍した。

 FC東京戦後、このレッジャーニにミックスゾーンで話を聞くことができた。18歳とは思えない落ち着きぶりで、終始淡々と受け答えする姿が印象的だった。
 ドイツでの生活については、「静かで居心地がいいよ。生活にも慣れたね」と語る。

 昨季はトップチームの一員としてブンデスリーガ8試合に出場。また、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)では、2月17日のノックアウトフェーズ・プレーオフ第1戦のアタランタ戦で先発フル出場を果たし、欧州カップ戦デビューを堂々と飾った。

 3月14日のFCアウクスブルク戦ではリーグ初得点もマーク。18歳64日でのゴールは、イタリア人選手としてブンデスリーガ最年少得点記録となった。

 FC東京戦では3バックの右の一角を務め、最後までピッチに立ち、あと少しでゴールという場面もあった。

「惜しかったね。ポストの下に当たってしまったよ」と悔しさをのぞかせた。

 今季の目標については、「もっと成長し、できるだけ多くの試合に出場できるようにすることだね」と語る。

 2年目を迎えるクロアチア人指揮官、ニコ・コヴァチからの信頼もさらに深まっている。

「奪われた」アタランタの怒り、U-17欧州選手権得点王を巡る争い

ドルトムント サムエーレ・イナシオ
ドルトムント サムエーレ・イナシオ(左)【写真:Getty Images】


 レッジャーニと同い年のイナシオは、2008年4月2日、ベルガモで生を受けた。アタランタやSSCナポリなどでプレーしたブラジル人のピオを父に持つが、母の母国であるイタリアの代表チームを選択している。

 レッジャーニとイナシオは、U-15時代から各年代のイタリア代表に招集されてきたエリート。イナシオは、惜しくも準決勝で敗れた2025年のU-17欧州選手権で5ゴールを挙げ、得点王に輝いた。

 2人は2025年のU-17ワールドカップでも主力としてプレーし、イタリア史上最高位となる3位入賞に貢献した。

 イナシオは2024年夏にアタランタからドルトムントへ移籍したが、その移籍を巡ってはトラブルが生じている。かつてイナシオが所属したアタランタのルーカ・ペルカッシ代表取締役は、憤りをあらわにしている。

 ドルトムントとのCLノックアウトフェーズ・プレーオフ第1戦を前に予定されていた昼食会をキャンセル。その理由について、ペルカッシは「イナシオに起きたことはあまりにも重大だからだ。彼は我々のもとで育った選手だが、決して明確とは言えない形で奪われてしまった。

 そのため、この問題をFIFA(国際サッカー連盟)に持ち込んだ。我々は自らの正当性を確信しているし、この件で非常に傷ついた。そのことはドルトムントにも説明したが、彼らは我々の言い分を聞くため、一度も話し合いの席につこうとはしなかった」と苛立ちを示した。

 一方のドルトムントは、「規則に則って獲得した」と主張。FIFAからの回答がないまま、5月には2029年6月30日までの契約更新が正式に発表されている。

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