令和8年8月千葉豪雨から2日後、ジェフユナイテッド千葉はホームでFC町田ゼルビアと対戦し、0-4で敗れた。一時は開催も危ぶまれたホーム開幕戦で先発したのが、千葉県出身で18歳の高校生Jリーガーの姫野誠だ。「千葉のためにも、街のためにも絶対に勝つ」。その思いを胸に65分間プレーしたが、試合後に口にしたのは「結果がすべて」という厳しい言葉だった。(取材・文:石田達也)[1/2ページ]
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【2026/27明治安田J1リーグ第2節】
8月15日 ジェフユナイテッド市原・千葉 0-4 FC町田ゼルビア
(フクダ電子アリーナ)
「千葉のためにも、街のためにも」豪雨被害の中で迎えたホーム開幕戦
「今、千葉が難しい状況の中で、今日はたくさんの人が来てくれて、自分たちも絶対に、今日は千葉のためにも、街のためにも絶対に勝つという思いで(試合に)入ったんですけど、それができなくて本当に申し訳ないと思っています」
この日、今季初先発を果たし、[3-4-2-1]の右シャドーでプレーした姫野誠は、そう振り返った。
明治安田J1リーグ 第2節が行われ、ジェフユナイテッド市原・千葉はFC町田ゼルビアと対戦し0-4の黒星を喫した。
8月13日に発生した『令和8年8月千葉豪雨』。フクダ電子アリーナの最寄り駅であるJR蘇我駅周辺では、約4000人の帰宅困難者が発生した。
翌14日早朝には、災害派遣された自衛隊が、帰宅困難者を蘇我駅から千葉県文化会館などの一時滞在施設へ輸送した。
豪雨の発生から2日後も、県内各地には甚大な被害の爪痕が残っていた。
こうした状況から、一時は試合の開催も危ぶまれた。それでもクラブは14日夜、予定どおり開催すると発表した。島田亮代表取締役は、クラブ公式サイトを通じて次のようにコメントしている。
「試合開催を決めるにあたり、本当に苦渋の決断でした。このような時にサッカーの試合をやっていても良いのか、被害にあわれサッカーどころではない方々も大勢いらっしゃるのではないかと、様々なことが頭をよぎりました。しかしながら我々のやるべきことはサッカーを通じて皆様に勇気や喜びを感じてもらうことだと初心に戻り開催することを決断しました」
試合開始前には、キックオフを待ちわびたサポーターから大きな歓声が飛び交った。
ホームスタンド側には「がんばろう千葉 立ち上がれ千葉 俺たちと共に」の横断幕が掲げられ、そしてアウェイスタンド側には「がんばろう千葉」のメッセージが綴られるなか、千葉が積極的な試合の入りを見せた。
右シャドーで示した前進力。18歳が悔やんだ一度の決定機
3分、ホセ・スアレスからのロングフィードのこぼれ球を拾ったエリソンが相手DFと競り合いながらも左足を振り抜き、あわや先制点という場面を作るなど、主導権を握ろうとした。
しかし左シャドーの相馬勇紀と左WBの明本考浩がファジーなポジションを取り、そこに千葉の選手が食いつくと仕掛けられる場面が続いた。
18分には中山雄太にFKを決められ先制を許したが、背番号37が気持ちの入ったプレーを披露する。
20分にはドリブルでゴール前に仕掛けると、25分にもボールを前進させてFKのチャンスに変え、33分にはロングスローを受けると体を張ってボールをキープしエリソンのシュートにつなげた。
だが34分にスローインから一瞬の隙を突かれテテ・イェンギに追加点を決められてしまう。
2点のビハインドを背負った千葉は44分、姫野が自ら獲得したFKのこぼれ球を河野貴志がヘディングでつなぐと、姫野がペナルティーエリア中央から右足で枠内シュートを放ったが、谷晃生にセーブされた。
「今日は、あれしかシュートを打っていないので、そこでしっかり決められるような選手にならないといけないなと思っています」と悔しさを滲ませた。
千葉がボールを前進させることに苦労するなか、姫野が中盤にまで下りてビルドアップに加わり、前線にボールを届けるため奮闘する。
「もちろんゴールを意識していましたが、やっぱりボールをしっかり持つサッカーをするにあたって、下がらないとつなげない部分もあるので、そこはバランス取りながら、もっと上手くできれば良かったかなとは思うんですけど、次はもっとゴールの近くでプレーできるようにやっていきたいです」
姫野は65分、矢村健との交代でピッチを退いた。その5分後、西村拓真に強烈なシュートをねじ込まれると、82分にはCKの流れから中村帆高に4点目を奪われた。
その後は、反撃の勢いを示すことができず開幕から連敗となった。


