想定外のシステム変更の中で、松村拓実が存在感を示した。柏レイソルとのちばぎんカップでは慣れないシャドーを任されると、背後への抜け出しやチャンスメイクで攻撃面に持ち味を発揮。得点こそなかったものの、J1で戦うための可能性を示した。一方で、プロで生き残るための課題も痛感。熾烈なポジション争いに挑む22歳が、さらなる飛躍へ向けた第一歩を踏み出した。(取材・文:石田達也)[2/2ページ]
「結果がすべて」指揮官と姫野が受け止めた0-4
小林慶行監督は、この日の敗戦を次のように受け止める。
「県内で豪雨災害があり、被災されている方がいて、亡くなった方たちもいる中で本当に難しい状況だったと思います。その中で開催するという決断をしたのは、自分たちがしっかりとプレーをすることで多くの人たちに勇気を届けられるというクラブの思いがありました。
本当に多くの人たちの協力によって開催に至ったので、試合前のミーティングでも選手たちにそういう話をしました。ただ、やはり結果がすべてなので、それについては本当に残念な思いでいっぱいです」
8月12日に18歳の誕生日を迎えた姫野は地元で生まれ、千葉のアカデミー組織で育ち、クラブ一筋の生え抜き選手だからこそ、復興の灯となるような勇気や希望、励みにつながるための勝利を届けたかった思いは強かった。
「本当に色々な人の支えとかがあり、今日の試合ができたことは感謝しかありません。それをしっかり結果で返したかったのですが、結果で返すことができませんでした。自分たちに責任があるので、次の試合に向けて準備したいと思っています」
初勝利へ「全員で同じ方向を向いて」
まだ勝ち星のない千葉は、21日にMUFGスタジアム(国立競技場)でFC東京と対戦する。
姫野は「結果がすべてなんですけど、やっていることは間違ってないと思いますし、でも結果がついてこないと意味ない。
それは百年構想リーグからの課題がまだ改善されてないっていうのは、自分たちがもっともっとやらなければいけないところだと思っています」と話し、その上で「全員で同じ方向を向いて、しっかり勝てるようにやっていきたい」と前を向いた。
負け癖だけはつけられない。集中力を高め、一瞬の隙を与えず、やるべきことを徹底する。若武者は怯むことなく、足を振っていくだけだ。
さらに、クロス時にペナルティーエリアへ入る人数やシュート数を増やし、フィニッシュの場面をどれだけ作り出せるかも求められる。
(取材・文:石田達也)
【著者プロフィール:石田達也 フリーライター】
千葉県出身。浦和や千葉を中心にJリーグやアマチュアスポーツまで幅広く取材。サッカー専門誌、地域情報誌などにも多数寄稿。「職業サッカークラブ社長」(ベースボール・マガジン社)などの書籍編集を担当。「浦和ACL戦紀」(ELGOLAZO BOOKS)共著がある。
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