
バルセロナに加入したロドリ【写真:Getty Images】
マンチェスター・シティで長く中盤の核を担ってきたロドリが、バルセロナに加入した。試合の流れを読み、攻守のバランスを整えるスペイン代表MFの加入は、ハンジ・フリック率いるチームに何をもたらすのか。すでに多彩なタレントが揃う中盤の顔ぶれと、それぞれの役割から、新シーズンのバルセロナを展望する。(文:金山悠吾)
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「時空の支配者」がバルセロナに降り立つ

バルセロナ ロドリ【写真:Getty Images】
「The master of space and time touches down in Barcelona(時空の支配者がバルセロナに降り立つ)」。
バルセロナはロドリの加入を、そんな言葉とともに発表した。公開された映像で象徴的に使われたのは、一定のリズムを刻み続けるメトロノームだった。
マンチェスター・シティで成功に満ちた7年間を過ごしたスペイン代表MFを、バルセロナは6000万ユーロ+ボーナスと報じられる条件で獲得。2030年6月までの契約を結んだ。
メトロノームは、まさにロドリという選手を表すものだろう。試合のテンポを整え、速めるべきときには速め、落ち着かせるべきときにはボールを動かす。その加入によって変わるのは、中盤のポジションだけではない。バルセロナのサッカーそのものかもしれない。
「アクセル」を踏むための優秀なブレーキ

スペイン代表 ロドリ【写真:Getty Images】
ロドリが加入したからといって、バルセロナが突然まったく別のチームになるわけではない。ハンジ・フリックのチームはこれからも見ていて胃が痛くなるようなハイラインと高い位置でのプレッシングでボールを奪い、ラミン・ヤマルやラフィーニャを前へ走らせるだろう。
ロドリの価値は、その性格を変えることではなく、むしろさらに大胆にすることにある。ボールを失った直後の中央を管理し、相手のカウンターが加速する前に危険を消す。
ボールを取り戻せば、すぐに前へ出るべきなのか、それとも一度ゲームを落ち着かせるべきなのかを判断する。バルセロナはアクセルをさらに踏み込むために、優秀なブレーキを手に入れた。
なお、今回の補強を考えるうえでは、フレンキー・デ・ヨングの長期離脱にも触れておく必要がある。膝を負傷したオランダ代表MFは数カ月の離脱が見込まれているだけでなく、近年はたびたび負傷で戦列を離れ、稼働率への不安を抱えてきた。
ロドリはデ・ヨングの単純な代役ではない。それでも、中盤の中心を担う選手を安定して計算できない状況が、バルセロナの決断を後押ししたことは想像に難くない。
豪華すぎるバルセロナの中盤

バルセロナのフレンキー・デ・ヨング、ガビ、ペドリら【写真:Getty Images】
では、そのロドリは現在の中盤にどう組み込まれるのか。まずはフリックの手元にいる選手たちを整理してみたい。同じMFでも、それぞれが得意とする仕事はかなり違う。
ペドリはボールを受ける位置を変えながらゲームを組み立て、最後の局面でも違いを作ることができる。デ・ヨングは、自らボールを持って相手のプレッシャーを越えていくことを得意とし、ガビは走力と激しいプレッシングで中盤に強度を与える。
ダニ・オルモとフェルミン・ロペスはライン間からゴールへ向かうプレーに特徴がある。そして、19歳のマルク・ベルナルは、長いリーチと身体の向きを生かして中央で前後をつなぐことのできるアンカーだ。
さらに、下部組織にも楽しみな才能が控えている。プレシーズンで高いパフォーマンスを見せているシャビ・エスパルトやブライアン・ファリニャスといった若手も、トップチームでの出場機会をうかがう存在だ。
こうして見ると、バルセロナの中盤にはすでに十分すぎるほどの個性が揃っている。そこへロドリが加わる意味は、誰か一人の仕事をそのまま奪うことではない。それぞれの選手が、より得意な仕事に集中できる土台を作れることにある。