
バレンシアCF 佐藤龍之介【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)の影響で延期されていたラ・リーガ第1節、バレンシア対レアル・ベティスで、佐藤龍之介が2試合連続のスタメン出場を果たした。この日はチームトップの4本のシュートを放つなど、ゴールへの積極性が目立った。前節のデビュー戦を経て見えた確かな手応えと、さらなる成長に向けた課題とは。(文:佐藤彰太)[1/2ページ]
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2試合連続でスタメンに名を連ねた佐藤龍之介

開幕戦に続いてスタメンに名を連ね、フル出場を果たした佐藤龍之介【写真:Getty Images】
バレンシアでの公式戦デビューとなった前節のセルタ・デ・ビーゴ戦に続き、中2日で行われたベティスとの一戦でもスタメンに名を連ねた。
セルタ戦との明確な違いを挙げるとすれば、ゴールへ向かう積極性が増したことだろう。この日はチームトップとなる4本のシュートを放つなど、得点への強い意識をのぞかせた。
佐藤にとって最大のチャンスとなったのは12分。ペナルティエリア内でボールを受けると、振り向きざまにシュート。枠をとらえたものの、ベティスGKアルバロ・バジェスの好セーブに阻まれ、惜しくも得点とはならなかった。
前節は、いい形でボールを受けるシーンがありながらもシュート数はゼロに終わっていた。それだけに、この日は何とか数字を残そうとする強い気概が伝わってきた。一方で、ゴールへの思いが強いからこそ、シュートの局面ではやや力が入りすぎているように映る場面もあった。
それでも、得点への意欲を前面に押し出したこと自体は大きな収穫だろう。海外挑戦を始めたばかりの19歳にとって、結果を求める焦りが生まれるのは当然のことでもある。まずは1点を奪うことで余計な力みが抜け、自身のプレーにもさらに勢いが出てくるはずだ。
相手を翻弄したスペースへの動き出し

レアル・ベティス所属で元スペイン代表のイスコと競り合うバレンシアCFの佐藤龍之介【写真:Getty Images】
また、前節に続いてスペースを見逃さない動き出しも光った。ラインブレイクで相手ディフェンスを翻弄するだけでなく、味方の選択肢を広げながらボールを引き出す動きを繰り返した。
周囲の状況を見ながら空いているスペースへ入り込み、相手の守備陣に「誰が捕まえるのか」という迷いを生じさせる。その動きによって味方の立ち位置にも変化が生まれ、攻撃に新たな選択肢が加わっていた。
現時点では、チーム全体の攻撃が完成されているとは言い難いが、今後もスペースが生まれた状況では、佐藤の特長が発揮されることになりそうだ。
そして、今夏にオリンピアコスから加入した右サイドバック、パブロ・マフェオとの関係性も、コンビを組んで間もないことを考えれば良好だった。
マフェオが状況を見ながら佐藤のサポートに回るだけでなく、佐藤の動き出しを見逃さずにパスを供給する場面も見られるなど、右シャドーでプレーする佐藤との連係には一定の手応えが感じられた。
互いの特徴を理解し、立ち位置や動き出しのタイミングをさらに擦り合わせていくことができれば、バレンシアの大きな武器となりそうだ。
積極性の裏に見えた課題

積極的な守備からファウルを犯し、ラ・リーガで初のイエローカードを提示されたバレンシアCFの佐藤龍之介【写真:Getty Images】
一方、課題もいくつか残った。
豊富な運動量を活かし、アグレッシブに守備へ走り回る姿勢は、チームを活性化させる要素でもある。ただ、その積極性が必ずしも周囲との連動につながっていたわけではない。自らボールを奪いにいこうとするあまり、背後や周辺にスペースを空けてしまうシーンも散見された。
佐藤自身が周囲の動きを見ながら、いつ前へ出るべきか、どこを閉じるべきかという判断の精度を高めていく必要があるだろう。
今後は時間をかけながらチームとしての共通理解を深め、その中で佐藤の役割を明確にしていくことが求められる。
また、単純に当たり負けをするシーンもあった。日本でプレーしていた頃とは異なる強度のコンタクトを受けるヨーロッパの舞台では、フィジカル面への適応も避けては通れない。
相手との接触を予測して先に体を入れること、衝撃をうまく吸収すること、重心を低く保ちながらボールを守ることなど、体の使い方によって改善できる部分も少なくない。
トップレベルのフィジカルに徐々に適応しながら、佐藤らしいプレーを失わずに戦える体をつくっていくことが重要になる。