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ガクポ破談で加速した連続玉突き、トッテナムはエンディアイエをさらわれムドリクへ。補強計画に誤算

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

イリマン・エンディアイエ
イリマン・エンディアイエ【写真:Getty Images】



 リバプール所属のオランダ代表FWコーディ・ガクポのマンチェスター・シティ移籍が破談となった。米スポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』が8月31日に報じている。ただ、これは一つの交渉決裂では終わらなかった。

 シティがエバートン所属のセネガル代表FWイリマン・エンディアイエへ方向転換したことで、トッテナムも新たなターゲットを探すことになり、エバートンも後釜確保へ動く。移籍市場の最終盤で、複数クラブを巻き込んだ玉突きが起きている。

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ガクポ破談で加速した移籍の連鎖

 同メディアのデイビッド・オーンスタイン記者によると、シティは7500万ポンド(約163億円)に500万ポンド(約11億円)の追加金を加えた条件を提示したが、リバプールが拒否した。ガクポ本人は移籍に前向きだったものの、3者が直接話し合い、交渉の打ち切りを確認したという。

 その余波は、すでに動いていた別の取引に及んだ。

 英メディア『スカイ・スポーツ』は8月30日、トッテナムとエバートンが、エンディアイエの6000万ポンド(約130億円)での移籍と、トッテナム所属のブラジル代表FWリシャルリソンの3500万ポンド(約76億円)でのエバートン復帰について、それぞれ交渉していると報じていた。

 スワップではなく別個の取引だったが、実質的には両クラブの前線の選手が入れ替わる構図だった。トッテナムは今夏、ガクポにも関心を示していた一方で、エンディアイエとの交渉を進めていた。

 ところが、ガクポを逃したシティがエンディアイエの獲得へ本格的に動いた。

 英紙『ガーディアン』などによると、シティは以前からエンディアイエに関心を寄せていたが、ガクポとの交渉終了後に動きを加速させたという。『スカイ・スポーツ』によれば、シティとエバートンは6000万ポンドに500万ポンドの追加金を加えた総額6500万ポンド(約141億円)で合意。エンディアイエはメディカルチェックを受ける予定となっている。

 トッテナムにとっては、獲得に近づいていたターゲットを移籍市場の最終盤でシティにさらわれる格好となった。

 さらに、リシャルリソンのエバートン復帰を巡る交渉も停滞した。

 トッテナムのロベルト・デ・ゼルビ監督は8月29日のニューカッスル戦後、リシャルリソンについて「彼は何度も退団したいと言っていた」と説明。退団を望むのであれば、クラブにとって適切な条件を提示する必要があるとの考えを示していた。

 一方でリシャルリソン本人もSNSを通じ、自身の将来について他者に決められることへの不満を示唆。エバートンへの思いを示しながらも、移籍は関係者全員が納得できる形で進められるべきとの考えを示した。

 その結果、エバートン復帰の交渉はまとまらず、トッテナムに残留する可能性が高まっている。


 エンディアイエ放出へ動くエバートンも、前線の補強を進めている。

 英紙『ガーディアン』などによると、モナコ所属のアメリカ代表FWフォラリン・バログンについて、4000万ポンド(約87億円)規模で獲得することでクラブ間合意に達した。現時点では正式発表前の段階となっている。

 そして、エンディアイエを逃したトッテナムが新たに獲得へ動いたのが、チェルシー所属のウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクだ。

 英紙『ガーディアン』によると、トッテナムとチェルシーは期限付き移籍で合意。デ・ゼルビ監督がシャフタール・ドネツク時代に指導した教え子で、スピードと突破力を武器とするアタッカーだ。

 ただし、即戦力という意味ではリスクもある。

 ムドリクが最後に公式戦に出場したのは2024年11月。反ドーピング規則を巡る手続きのため長期間プレーから離れていたが、今年7月末に復帰が認められ、8月のユベントスとの親善試合で約20カ月ぶりにチェルシーの試合に出場した。

 長期離脱から戻ったばかりで、プレミアリーグの公式戦でどこまで早く本来のパフォーマンスを取り戻せるかは未知数だ。

 トッテナムは今季のプレミアリーグ開幕戦でブレントフォードに0-3、第2節ではニューカッスルに0-2で敗れた。2試合を終えていまだ無得点と、前線には即効性のある補強が求められている。

 エンディアイエも大量得点を約束するタイプではないものの、プレミアリーグで実績を残している選手だ。一方、ムドリクは長期離脱から復帰した直後という事情を抱える。

 ガクポのマンチェスター・シティ移籍破談をきっかけに加速した、移籍市場最終盤の玉突き。シティはエンディアイエ獲得へ大きく前進し、エバートンもその後釜確保へ動いた。

 一方のトッテナムは、獲得に迫っていたエンディアイエを逃し、リシャルリソンの放出も思惑通りには進まず、最終的に長期離脱明けのムドリクへとターゲットを切り替えることになった。

 開幕2試合無得点という状況で、この最終盤の方向転換がどのような結果をもたらすのか。補強計画の成否は、今後のスパーズの戦いを大きく左右することになりそうだ。

(文:内藤秀明)

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