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コラム 3時間前

なぜインテルはイングランド代表3人を獲得したのか? 異例の“英国人トリオ”誕生、その先にある悲願【コラム】

インテルに新加入したジョン・ストーンズ、ジェド・スペンス、カーティス・ジョーンズ
インテルに新加入したジョン・ストーンズ、ジェド・スペンス、カーティス・ジョーンズ【写真:Getty Images】



 118年の歴史で、インテルに所属したイングランド人選手はわずか3人。それが今夏だけで、一気に倍増した。ジョン・ストーンズ、ジェド・スペンス、カーティス・ジョーンズ。いずれもプレミアリーグの第一線で戦ってきた実力者で、今季のネラッズーロはさながら“インテル・イングレーゼ”だ。なぜインテルは、これほど大胆な補強に動いたのか。かつてクラブを彩った「ドイツ人トリオ」の歴史も紐解いていくと、その先にはジュゼッペ・マロッタが追い求める悲願のチャンピオンズリーグ制覇が見えてくる。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]

インテルが3人のイングランド人選手を獲得

イングランド代表
ジェド・スペンス(左)とジョン・ストーンズ(右)はイングランド代表として北中米W杯に出場した【写真:Getty Images】



 2025/26シーズンのセリエA王者、インテルに今夏、3人ものイングランド人がやってきた。

 マンチェスター・シティからはセンターバックのジョン・ストーンズ、トッテナム・ホットスパーからは右ウィングバックのジェド・スペンス、そしてリヴァプールからはミッドフィルダーのカーティス・ジョーンズが加入。今季のインテルは、まさに“インテル・イングレーゼ(英国人のインテル)”と化している。

 32歳のストーンズは、10シーズンにわたって所属したマンチェスター・シティを契約満了に伴い退団し、フリートランスファーでインテルへ移籍したが、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)には5試合に出場。イングランド代表では主力の一人だ。

 インテルとは2年契約を締結し、年俸は400万ユーロ=約7.4億円(税抜き、以下同様)となるようだ。

 一方、8月9日に26歳の誕生日を迎えたスペンスには、3000万ユーロ(約55.5億円)にボーナスが付帯する移籍金が支払われる。契約期間は5年間で、年俸は300万ユーロ(約5.5億円)に上る。W杯では8試合すべてに出場した。

 また、2024年には半年間ながらジェノアでもプレーしており、今回が2度目のセリエA挑戦となる。

 3人の中で最も若い25歳のジョーンズも、移籍金は3000万ユーロで、これにボーナスが加わる。契約期間もスペンスと同じ5年間で、年俸は350万ユーロ(約6.5億円)と伝えられている。

 リヴァプールの生え抜きとして育ったジョーンズは、移籍決定後、「素晴らしい感覚だ。以前からずっとインテルに来たいと思っていた。本当に興奮している」とコメント。ネラッズーロ(インテルの愛称)への移籍に喜びを爆発させている。

 いずれも現役引退を前に、もう一花咲かせようとしている選手たちではない。プレミアリーグの第一線で活躍していた、まさにビッグプレーヤーたちである。

英国籍選手はEU域外選手扱いだが…

チェルシーのマルコ・パレストラ
マルコ・パレストラの獲得は叶わなかったが…【写真:Getty Images】



 今夏のカルチョメルカートが始まるやいなや、インテルはインテリスタを落胆させた。

 イタリア代表の新鋭、マルコ・パレストラの獲得が決定的となりながらも、契約寸前でチェルシーに奪われたからだ。しかし、結果としてプレミアリーグの猛者3人の獲得に成功。サポーターにとっても、良い意味で期待を裏切る、納得の補強となった。

 しかし、英国は2021年1月1日にEU離脱を完全に実施しており、英国籍選手はEU域外選手扱いとなった。

 イタリアにおけるEU域外選手枠は「2」。となると、3人のうち1人は登録できないということになるのだろうか。イタリア紙『ラ・ガッゼッタ・デッロ・スポルト(以下、ラ・ガッゼッタ)』のフィリッポ・コンティチェッロ記者の説明によると、3人は同時に出場可能だという。

 イタリア・サッカー連盟(FIGC)は2023年夏、スポーツ目的の選手登録に限り、英国人選手をEU加盟国の選手と同等に扱うことを決定した。

 ただし、この「特別枠」を利用できるのはセリエAのクラブに限られ、各クラブにつき新たに登録する英国人選手1人に限られる。

 つまり、1人目の英国人選手の登録についてはEU加盟国の選手と同等に扱われ、2人目以降の英国人選手についてはEU域外選手枠での登録となる。そのため、今夏新加入した3人の英国人選手は、同時にピッチに立つことが可能なのだ。

 実は、これまでインテルに所属したイングランド人プレーヤーは、118年の歴史の中で3人しかいない。今夏のカルチョメルカートで、その在籍人数と肩を並べることになったのだ。

インテルでプレーしたイングランド人選手とは?

インテル時代のアシュリー・ヤング
最後にインテルでプレーしたイングランド人はアシュリー・ヤングだった【写真:Getty Images】



 最初のイングランド人プレーヤーは、ジェリー・ヒッチェンズ。1961年5月24日にローマで行われたイタリア代表とのテストマッチにイングランド代表として出場したヒッチェンズは、2ゴールを記録。この活躍がインテル幹部の目に留まり、その夏、アストン・ヴィラからインテルへ移籍した。

 1962年11月にインテルを退団した後は、ACトリノ(現トリノFC)、アタランタ、カリアリFC(現カリアリ・カルチョ)でもプレー。現在も、イタリアでプレーしたイングランド人選手として、出場数239試合、73ゴールはいずれも最多記録となっている。

 2人目は、マンチェスター・ユナイテッドからやってきたポール・インスだ。1995/96シーズンから2年間在籍したものの、タイトルとは無縁に終わり、1997年夏にイタリアを離れ、リヴァプールへ移籍した。

 そして最後は、アシュリー・ヤング。彼もまたマンチェスター・ユナイテッドからの移籍で、2020年1月、シーズン途中にインテルへ加入した。そのシーズンは2位に終わったものの、翌シーズンにはスクデット獲得に貢献した。

 インテル以外にも、多くのイングランド人選手がイタリアでプレーしてきた。SSラツィオでは、イングランドのアイドルだったポール・ガスコインがプレーした。

 デイヴィッド・プラットは、ユヴェントスとサンプドリアに所属した。メジャーリーグ・サッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシーからミランへ期限付き移籍したデイヴィッド・ベッカムは、大きな話題となった。

 また、アシュリー・コール、クリス・スモーリング、タミー・アブラハムらも、ASローマのユニフォームに袖を通している。

 同じ国籍の3人の選手が所属し、印象的な活躍を見せたチームといえば、1980年代後半から90年代前半にかけて一時代を築いたミランだろう。

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