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コラム 3時間前

わずか3割…。セリエAからイタリア人が消えている。3大会連続W杯逸、“自国リーグ”で進む深刻な異変【コラム】

セリエA
セリエAからイタリア人選手が減少している【写真:Getty Images】



「95人」。26/27シーズンのセリエA開幕節でピッチに立った318人のうち、イタリア人選手はわずか30%にあたる95人だった。さらに伊紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』の集計では、イタリア代表に招集可能な選手は昨季開幕節の99人から95人に減少し、総出場時間も6468分から6103分へと落ち込んでいる。イタリア代表が3大会連続でワールドカップ出場を逃した今、自国最高峰のリーグでは外国人選手の存在感がますます大きくなっている。その一方で、若きイタリア人選手には新たな才能も芽吹き始めた。アッズーリ再建につながる光は見えているのだろうか。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]

セリエAのイタリア人選手の数がさらに減少

インテル対モンツァ
インテル対モンツァでは開幕節としては最多となる15人のイタリア人が出場していた【写真:Getty Images】



「95」。これは、2026/27シーズンのセリエA開幕節で、ピッチに立ったイタリア人選手の数だ。先発出場した選手と途中出場した選手を合わせた数字である。

 なんと、昨シーズンの「99」から、さらにイタリア人選手の起用が減少した。イタリア代表は、3大会連続でワールドカップ(W杯)・ヨーロッパ予選敗退。セリエAにおけるイタリア人選手の減少が、イタリア代表の弱体化につながっているとの問題が指摘されている。

 しかし、セリエAにおけるイタリア人選手の置かれている状況は、さらに悪化の一途をたどっている。開幕節におけるイタリア人選手の総出場時間も、6,468分から6,103分へと、約4試合分減少した。

 開幕節のオープニングゲームとなった、インテル対ACモンツァ。この試合に出場したイタリア人選手は少なくなかった。

 昨シーズンのリーグ王者インテルは、アレッサンドロ・バストーニ、フェデリーコ・ディマルコ、ニコロー・バレッラ、そして若きストライカー、フランチェスコ・ピオ・エスポージトの4選手。いずれもイタリア代表の面々だ。

 一方、昨シーズンのセリエBを3位で終え、プレーオフを勝ち抜いて昇格を勝ち取ったACモンツァは、サムエル・ピッツィニャッコ、エディ・コウアディオ、ロレンツォ・ルッケージ、アンドレーア・カルボーニ、サムエーレ・ビリンデッリ、マティス・ムート、アンドレーア・コルパーニ、アダム・バクーネの8人。インテルの4人と合わせ、計12人のイタリア人選手がキックオフ時にピッチに立っていた。悪くはない数字だ。

 さらにACモンツァは、途中出場でフィリッポ・デッリ・カッリ、パトリック・クトローネ、ニコーラス・ガラッツィの3人が加わり、試合終了までに計11人のイタリア人選手が出場。第1節で最も多くのイタリア人選手を起用したチームとなった。

 一方、4-1で勝利したインテルでは、イタリア人選手の途中出場はなかったものの、インテルvsACモンツァは、両チーム合わせて15人のイタリア人選手が出場し、第1節で最も多くのイタリア人選手が起用された試合となった。

 しかし、もう一つの開幕カード、ウディネーゼvsコモ1907は、インテルvsACモンツァとは対照的な結果となり、一体どの国のリーグなのかわからないような顔ぶれとなった。

コモ1907の先発にイタリア人は…

コモ1907
開幕節でウディネーゼと対戦したコモ1907。先発にイタリア人選手の名はなかった【写真:Getty Images】



 ホームのウディネーゼは、ニコロー・ザニオーロただ一人。アウェイのコモ1907は、先発メンバーにイタリア人選手の名前がアナウンスされることはなく、今夏の移籍市場でUSカタンザーロから獲得した19歳のマッティーア・リベラーリが途中出場しただけだった。

 ウディネーゼには、ドイツのベルリン生まれながらイタリア国籍を持つマッテーオ・パルマがいる。アンダー世代のU-15ではイタリア代表に招集されているものの、U-16、U-17ではドイツ代表としてプレーした。

 この18歳のセンターバックが、9月のネーションズリーグ(NL)でイタリア代表に招集されるとの噂が強まっている。

 この一戦では、ザニオーロが最も印象に残る選手の一人であった。右サイドから力強いドリブルで持ち込み、何度も決定機を演出した。

 やはりこの男はイタリア代表に不可欠ではないかと思わせるプレーだった。だが、ザニオーロは試合後に右足の痛みを訴え、試合後の精密検査で右大腿二頭筋の損傷と診断された。

 このため、第2節のACモンツァ戦を欠場。9月のNLの招集も難しいとの見方が強まっている。

 コモ1907で唯一出場したイタリア人選手となったリベラーリも、途中出場ながら積極的なプレーで違いを生み出し、試合後にはセスク・ファブレガス監督からの称賛を勝ち取った。

 しかし、第2節のSSCナポリ戦では、ベンチ入りしたものの、最後まで出番が訪れることはなかった。リベラーリが務める右サイドウイングにはライバルも多い。

 セネガル代表として今夏の北中米W杯にも出場したアサン・ディアオ、U-21オランダ代表のジェイデン・アッダイらとのポジション争いに勝たなければならない。

 また、代表に選ばれたとしても、このポジションではザニオーロとの争いが待ち受けている。さらなる成長が期待される。

 全体では、起用された選手のわずか約30%がイタリア人という結果となった。

名門のミランとユヴェントスまでもが…

ミラン
名門のミランやユヴェントスは今夏、イタリア人選手の補強がほぼなかった【写真:Getty Images】



 6月にはイタリア・サッカー連盟(FIGC)会長にジョヴァンニ・マラゴーが就任し、指揮官には難航した末にロベルト・マンチーニの再登板が決まったが、依然としてイタリア人選手の起用をめぐる問題は変わっていない。

 今夏のカルチョメルカートでも、連日のように外国人選手獲得の話題ばかりが目立ち、昨シーズンよりもイタリア人選手の起用が少なくなるのではないかという予兆はあった。そして、いざ開幕すると、その不安は現実のものとなり、さらに悪化した。

 統計サイト『FBref』の調べでは、W杯を制したスペインに目を向けると、ラ・リーガは昨季、自国選手の出場時間が占める割合が62.7%に上り、セリエAの33.4%の2倍近い数字となった。

 また、ドイツのブンデスリーガは42.8%、フランスのリーグ・アンは36.5%で、セリエAは5大リーグで4番目の33.4%。そして、世界中からトップレベルの選手が集まるプレミアリーグは27.2%と、唯一20%台となっている。

 今夏のカルチョメルカートでは、過去に多くのイタリア代表選手を輩出してきたユヴェントスとミランが、1億5000万ユーロ(約277.5億円)以上もの移籍金を投じている。

 だが、ミランにイタリア人選手の名前はなく、ユヴェントスにおいても、トッテナム・ホットスパーからレンタルで獲得したGKグリエルモ・ヴィカーリオの一人にとどまる。

 ユヴェントスは、下部組織から育てたファビオ・ミレッティをベシクタシュJKへレンタルで放出。ミランも、昨夏にトリノFCから2300万ユーロ(約42.5億円)で獲得したサムエーレ・リッチをレンタルで手放している。

 両クラブは、至上命令だったUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権の獲得を逃した。もはやイタリア代表のことなど毛頭なく、クラブの再建だけに目を向けているのだろう。

 それでも、一縷の望みはある。

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