「95人」。26/27シーズンのセリエA開幕節でピッチに立った318人のうち、イタリア人選手はわずか30%にあたる95人だった。さらに伊紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』の集計では、イタリア代表に招集可能な選手は昨季開幕節の99人から95人に減少し、総出場時間も6468分から6103分へと落ち込んでいる。イタリア代表が3大会連続でワールドカップ出場を逃した今、自国最高峰のリーグでは外国人選手の存在感がますます大きくなっている。その一方で、若きイタリア人選手には新たな才能も芽吹き始めた。アッズーリ再建につながる光は見えているのだろうか。(文:佐藤徳和)[2/2ページ]
若きタレントは芽吹いている。しかし…
前述のウディネーゼvsコモ1907でのザニオーロとリベラーリの活躍は、イタリア人が少ない中で、希望の光となった。
また、インテルのエスポージトも、素晴らしいヒールキックからのシュートでネットを揺らすなど、輝きを放った。SSCナポリのアントニオ・ヴェルガーラはジェノア戦で途中出場し、ダメ押しのゴールを決めた。
ASローマのエマヌエーレ・ルッリはフィオレンティーナ戦で予想外の初出場を果たし、エネルギッシュなプレーで躍動。サポーターから拍手喝采を浴びた。
インテルからSSラツィオへと移籍したダヴィデ・フラッテージは2試合連続ゴール。しかも、その2ゴールはいずれも決勝ゴールとなった。心のクラブに“帰還”し、ベストパフォーマンスを取り戻している。
フロジノーネ・カルチョのアントニオ・ライモンドは、第2節のフィオレンティーナ戦で、セリエA初ゴールを含む2得点。フィオレンティーナの100周年記念メモリアルマッチで主役の座を奪った。
そして、カリアリ・カルチョのアレッサンドロ・ロマーノも、第1節のパルマ・カルチョ戦で決勝ゴールをマーク。第2節のインテル戦こそ敗れたが、昨季の優勝チームを相手に孤軍奮闘した。
実は、名前からすると一見イタリア人のようだが、出生地はスイスで、これまでアンダー世代のスイス代表でプレーしてきた。しかし、祖父母がイタリア出身で、イタリアのパスポートを持つ。
そのため、9月の代表戦では、マンチーニが招集し、起用すべきとの声が強まっている。当然、FIGCも招集に動いているはずだが、今のイタリア代表が、ロマーノにとってどれほど魅力的に映るか。あとは本人の意思次第だ。
若きタレントは芽吹き始めてはいる。しかし、依然としてセリエAにおけるイタリア人プレーヤーの数は極めて少なく、セリエBや下位リーグからイタリア人選手を獲得したというニュースも少ない。
クラブ・イタリアのテクニカルディレクター、クラウディオ・ラニエーリ、そしてクラブ・イタリアの育成年代における活動プロジェクトのコーディネーター、ジャンフランコ・ゾラの仕事は多い。
イタリア代表の未来が、彼らに託されているのだ。
(文:佐藤徳和)
【著者プロフィール:佐藤徳和】
1998年にローマでの語学留学中に、地元のアマチュアクラブ「ロムーレア」の練習に参加。帰国後、『ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典』(小学館)の制作に参加し、イタリア語学習書などの編集、校正、執筆に携わる。2007年から、フリーランスとして活動し、主にイタリア・サッカー記事のライティングに従事。2014年には、FC東京でイタリア人臨時GKコーチの通訳を務める。IL ROMANISTA、日本特派員。『使えるイタリア語単語3700』(ベレ出版)、『イタリア語基本の500単語』(語研)を共同執筆。日伊協会では、カルチョの記事を読む講座を開講中。X:@noricazuccuru
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