得点力不足に苦しむアビスパ福岡で、最も重い責任を背負っているのが師岡柊生だ。鹿島アントラーズ時代は鈴木優磨やレオ・セアラの背中を追う立場だった25歳が、今では自らゴールを奪い、チームを勝たせることを求められている。「今の自分には責任しかない」。清水エスパルス戦ではシュート0本に終わり、チームも5戦未勝利。それでも、鹿島で見続けた“FWのお手本”を胸に、新たなエースとしての道を歩もうとしている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
鹿島アントラーズ時代よりも強い思い「でも福岡に来て…」
実際、今の福岡は得点への道筋がなかなか作れていない。
清水戦でもボランチ・見木友哉と師岡のホットラインがつながった時だけ「何かが起きる」という期待感が見て取れたが、それ以外の流れの中の効果的な攻めは繰り出せていない。現状は深刻だ。
今後も碓井、ウェリック・ポポが離脱を強いられそうで、師岡にかかる負担は重くなる。
そういう時こそ、局面のバトルや球際で負けないといったサッカーの原点を貫いていくことが肝心。鹿島で3年半戦い続けた彼はその重要性を誰よりもよく分かっているはずだ。
「1対1で負けないとか、目の前のボールを相手に渡さないだとか、そういうところは自分も含めて欠けている点が今日は見られたかなと。そこは鹿島時代につねに意識していた部分ですし、日頃の練習から改善していきたいです。
でも福岡に来て、自分が点を取って1試合1試合チームに貢献したいという気持ちはこれまで以上に強くなっている。FWとして結果を出したいですね」と師岡は新たな闘志を燃やした様子だ。
174cmと高さがない分、彼はここから工夫を凝らしながらFWのキャリアを突き詰めていく必要がある。
鈴木優磨のように賢いポジショニングは不可欠だし、ゴール前の鋭さに磨きをかけていくことも重要だ。
近くにいる北嶋コーチのアドバイスも取り入れながら、自分自身の最適解を見出すことが、今の師岡に課せられる重要命題と言っていい。
いずれにしても、彼が福岡の救世主にならなければいけないことだけは確か。師岡柊生の大ブレイクが待たれるところだ。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
Jリーグ|順位表・試合日程・結果・移籍情報・得点ランキング・アシストランキング【2026/27】
【一覧】J1リーグ2026/27 試合日程・結果・放送・配信予定
「ファウルではないものに笛は吹かない」。Jリーグが目指すコンタクトプレーの基準とは
【了】


