
鹿島アントラーズでプレーする津久井佳祐【写真:Getty Images】
明治安田J1リーグ開幕から4連勝。そこから一転、目下3連敗に沈む鹿島アントラーズ。そんな苦境の中、静かに存在感を増しているのが背番号23、DF津久井佳祐だ。右サイドバックとボランチを行き来しながらクオリティを示す22歳は、チーム最適解となり得るか。今夜のACLE開幕戦でも、その動向に注目が集まる。
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プレータイムは増加傾向
開幕4連勝、好スタートで沸いた2025シーズン王者・鹿島アントラーズが3連敗で苦しんでいる。J1史上初の「茨城ダービー」で昇格組・水戸ホーリーホックに2-4と大量失点し、続く浦和レッズ戦はオウンゴールによって0-1で敗戦を喫した。
そして9月11日のヴィッセル神戸戦も、同点に追いついた直後に勝ち越しを許す1-2で終了。決定力と守備の連係、両面に課題が滲むなか、“常勝軍団”は浮上のきっかけを探している。
そんな苦境の中、静かに存在感を増しているのが背番号「23」、DFの津久井佳祐だ。今季ここまでリーグ戦5試合に出場し、プレータイムは右肩上がり。9月6日の浦和戦ではチーム内4人が初先発を果たした「再出発」の一戦でリーグ戦初スタメンを掴み取り、続く9月11日の神戸戦ではボランチの位置で起用された。
最終ラインを主戦場としながら、8月26日に行われた天皇杯・2回戦のアトレチコ鈴鹿クラブとの試合を含むここまでのスタメン起用では、右サイドバックが2回、ボランチが1回という内訳だ。
浦和戦では右サイドバックとしてスタートしたが、広瀬陸斗が投入された80分からはボランチに移っている。リーグ第3節のアビスパ福岡戦でも柴崎岳に代わり、中盤にそのまま入った。
福岡戦は5分ほどのプレータイムだったが、印象的な働きを披露した。プレーの過程でオフサイドの判定を下されたが、89分にボックス内に侵入してネットを揺らす寸前まで達した。
神戸戦での津久井は、ボールを持てば常に前を向く姿勢が際立っていた。ボランチの相方に三竿健斗がいたこともあり、この試合ではより矢印を前へ向かわせる仕事を任されていたように見える。
現在のサイドバック陣では“最も守備的”
そして津久井がボランチに入ることの利点のひとつとして、マテウス・ブエノのトップ下起用があげられる。同選手が神戸戦の45分に見せたプレーは、これまでよりも前で配置されたことによるものだろう。コーナーキックのこぼれ球を拾ったブエノは、前に向かってボールをキャリー。そこから前線へスルーパスを供給し、徳田誉のチャンスを演出した。
この場面に限らず、津久井が前を向いて時間を作ったことによって味方のスペースを創出するシーンはいくつかあった。63分のシーンなどもそれにあたり、神戸の郷家友太のプレスを受けながら三竿にボールを預けた。
出場5試合で177分、記録は1アシストのみだが、限られた時間の中で両ポジションに違う色の説得力を残してきたことの価値は大きい。守備の安定を取るか、攻撃の推進力を取るか。負傷者やコンディション不良者が出るたびに答えが変わり得るこの問いは、指揮官にとって悩ましい問題だ。
津久井はディフェンス面にも強みがあり、今季鹿島に所属するサイドバックの中では最も守備的と言える選手である。
データサイト『FotMob』によれば、2025シーズンのリーグ戦における1試合あたりの守備貢献で同選手は8.95を記録。神戸所属時の広瀬は5.27、小川諒也が6.57、小池龍太は4.15で、現在怪我で離脱中の安西幸輝が5.43だ。
広瀬は当時ウイングとしても起用されていたためその点を考慮する必要があるが、津久井の守備に関する優位性は変わらないだろう。今季の鹿島は失点続きのため、最終ラインで守りを固める上でも頼りになる存在だ。
そして本日9月15日は、ホーム・メルカリスタジアムでのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)開幕節、ニューカッスル・ジェッツ戦。データサイト『Transfermarkt』上では平均年齢が24.4歳。若い選手が多いが、31歳ベテランのマックス・バージェスのような選手もいる。油断ならない相手だ。
津久井がサイドバックとボランチのどちらに置かれても、直近の試合で見せたクオリティを貫けるなら、それはニューカッスル・ジェッツ攻略の推進力になるだけでなく、リーグ戦3連敗のムードを断ち切る呼び水にもなり得る。今夜のメルカリスタジアムに注目したい。
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