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コラム 22時間前

インテルが“第2のクラブ”を手に入れる? 親会社が進める新戦略、U-23だけでは足りない理由【カルチョを読む】

インテル
インテル【写真:Getty Images】



 インテルが、新たなクラブ戦略に乗り出そうとしている。2025/26シーズンにU-23チームを立ち上げたばかりだが、今度は親会社のオークツリー・キャピタル・マネジメントが、欧州で別のクラブの買収を検討しているという。狙いは若手育成だけではない。選手の市場価値向上、補強ルートの拡大など、その先には欧州の強豪と渡り合うための思惑がある。なぜインテルは、U-23に続いて“サテライトクラブ”を必要としているのか。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]

インテルが新たなクラブ戦略へ

インテルU23
インテルU23【写真:Getty Images】



 インテルに、新たな“弟分”となるクラブが誕生するかもしれない。

 インテルを所有するアメリカの投資ファンド、オークツリー・キャピタル・マネジメントが、欧州で新たなクラブの買収を検討しているという。いわゆる「サテライトクラブ」を傘下に加え、若手選手の育成や戦力強化につなげる構想だ。

 2024年5月、オークツリーは蘇寧グループへの融資が返済されなかったことに伴い、担保となっていたインテルの所有権を取得した。その後、それまでクラブの代表取締役を務めていたジュゼッペ・マロッタが会長に就任。新たな経営体制の下で、クラブは次々と改革を進めている。

 その一つが、2025/26シーズンに新設されたU-23チームだった。

 ユヴェントス、アタランタ、ミランに続いてセカンドチームを立ち上げ、セリエCに参戦。トップチームとプリマヴェーラの間に存在していた大きなレベル差を埋めるための受け皿を作った。

 そして今度は、その先に「サテライトクラブ」を加えようとしている。

 なぜインテルには、U-23だけでは足りないのだろうか。

欧州で広がる「マルチクラブ」の潮流

City Football Group
ともにシティ・フットボール・グループのパレルモとメルボルン・シティ【写真:Getty Images】



 複数のクラブを同一資本の下に置く「マルチクラブ・オーナーシップ」は、欧州サッカー界で存在感を増している。

 その代表格が、マンチェスター・シティを中心とするシティ・フットボール・グループ(CFG)だ。

 2013年に設立されたCFGは、マンチェスター・シティだけでなく、スペインのジローナFC、フランスのトロワAC、ベルギーのロンメルSK、イタリアのパレルモFCなど、世界各地のクラブをネットワークに組み込んできた。

 また、レッドブルもドイツのRBライプツィヒ、アメリカのニューヨーク・レッドブル、ブラジルのレッドブル・ブラガンチーノなどに投資。2024年には大宮アルディージャの全株式を取得し、日本サッカー界にも本格参入した。

 イタリアのクラブを所有する企業にも同様の動きがある。

 ミランのオーナーであるレッドバード・キャピタル・パートナーズは、フランスのトゥールーズFCも保有。ASローマのオーナーであるフリードキン・グループも複数のクラブを傘下に置いている。

 こうしたネットワークを利用すれば、若手を実戦経験の積めるクラブへ送り出し、成長した選手をトップクラブへ引き上げることができる。それだけではなく、選手の市場価値を高めて売却益につなげることも可能になる。

 資金力で欧州最大級のクラブに及ばないインテルにとって、この仕組みは大きな意味を持つ。

 2024/25シーズンの売上高は5億3750万ユーロ(約○億円)で欧州11位。イタリア勢ではトップだったが、首位レアル・マドリードの11億6100万ユーロ(約○億円)とは2倍以上の開きがある。

 それでもインテルは近年、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)で2度決勝に進出している。

 2010年以来となる欧州制覇を実現するためには、単純な資金力とは異なる方法で欧州の列強と競わなければならない。その新たな武器となり得るのが、サテライトクラブなのである。

なぜU-23だけでは足りないのか

セリエA優勝のインテル
トップチームとプリマヴェーラの間にあるレベル差は大きい【写真:Getty Images】



 では、なぜ2025年にU-23を設立したばかりのインテルが、さらに別のクラブを必要としているのだろうか。

 インテルU-23設立の大きな目的は、トップチームとプリマヴェーラの間にあるレベル差を埋めることだった。

 イタリアのプリマヴェーラは2024/25シーズンからU-20のカテゴリーとなっている。そこで結果を残した選手でも、いきなりセリエAのトップチームでプレーするハードルは高い。

 セリエCを戦うU-23は、その間をつなぐ重要なステップになる。

 しかし、そのU-23とインテルのトップチームの間にも、依然として大きなレベル差がある。

 そこで構想されているのが、さらに一段上の環境で若手を育てられるサテライトクラブだ。

 イタリア・メディア『Calcio e Finanza』によると、オークツリーはポルトガル、ベルギー、オランダなどの1部リーグを中心に買収候補を探しており、スイスも選択肢に入っているという。さらに、スペインでは2部クラブも検討されている。

 これらのリーグには共通点がある。

 若手選手を育成し、市場価値を高め、より大きなクラブへ送り出す「選手売買」が活発であることだ。

 つまりインテルが求めているのは、単なる“レンタル先”ではない。

 プリマヴェーラ、U-23、サテライトクラブ、そしてトップチーム。

 選手の成長段階に合わせたルートを作ることで、若い才能をより確実に育てようとしているのである。

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