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コラム 19時間前

ユーヴェからイタリア人が消えた… 129年の歴史で初、フィールドプレーヤーにイタリア人不在の先発メンバーから浮かび上がる疑問【カルチョを読む】

ユヴェントス
サッスオーロ戦でフィールドプレーヤーにイタリア人を1人も起用しなかったユヴェントス【写真:Getty Images】



 129年の歴史を誇るユヴェントスで、セリエA史上初の出来事が起きた。サッスオーロ戦の先発フィールドプレーヤーにイタリア人はゼロ。歴史的な“異変”から見えてくるのは、今夏の補強政策とチーム作りへの疑問だ。(文:佐藤徳和)[1/2ページ]

フィールドプレイヤーに「イタリア人ゼロ」

ユヴェントス
サッスオーロに敗戦を喫したユヴェントス【写真:Getty Images】



 それは、129年の長い歴史を誇るユヴェントスにおいて、初めての出来事だった。

 セリエA第4節。9月13日にマペイ・スタジアムで開催されたUSサッスオーロ戦で、ユーヴェのスターティングメンバーには、GKグリエルモ・ヴィカーリオを除き、イタリア人プレーヤーの名はなかった。フィールドプレーヤー全員が、外国人選手で構成されていた。
 
 USサッスオーロとの一戦では、65分にセバスティアン・エスポージトに先制点を献上し、その後も常にリードを許す展開となった。コソヴォ代表FWエドン・ジェグロヴァのゴールで2度追いついたものの、最後はアディショナルタイムにヴァシリエ・アジッチに決勝ゴールを奪われ、2-3と敗戦を喫した。

 そして、試合終了のホイッスルが鳴るまで、フィールドプレーヤーとしてイタリア人選手がピッチに立つことはなかった。

 皮肉にも、今季からユーヴェでCEO(最高経営責任者)を務めるジョヴァンニ・カルネヴァーリが、昨季までゼネラルマネージャーを務めていたクラブとの一戦で、決勝点を記録したアジッチも、ユーヴェからのレンタルで加入していた。さらに、USサッスオーロの指揮官アルベルト・アクイラーニは、ルチャーノ・スパッレッティ監督がASローマを率いていた時代の教え子でもあった。

「バランスを失った」

サッスオーロ
アディショナルタイムに決勝点を許したユヴェントス【写真:Getty Images】



 試合後、スパッレッティはイタリア・メディア『Sky Sport』のインタビューにこう答えた。「失点のうち2点は、バランスを失ったことで生まれた。ただ、それは難しくなっていた試合をひっくり返したいという思いがあったからだ。実際、我々には試合をひっくり返すだけの価値があった。もちろん、ユーヴェがあのようにスペースを空けてはいけない。それでも、試合に勝つためにそうしたのであり、実際に勝つチャンスはあった」

 さらに、「我々は攻撃を完結させられず、勢いを大きく削がれ、順位の面でも、その他あらゆる面でも、大きな代償を払う痛恨の敗戦を喫してしまった。だが、勝ちに行くよう求めたのは私だ。選手たちは少し勝利だけにこだわりすぎたのかもしれないが、私はこの姿勢を気に入っている」と語った。

 勝利を目指した上での結果であることを強調したものの、憔悴した面持ちで、言葉に力はなかった。

 また、選手の一人は試合後に『Sky Sport』のインタビューに応じている。「ユーヴェがあのような形で失点を喫してはいけない」と語るのは、GKヴィカーリオだ。

「勝ちに行こうとする気持ちは理解している。我々には勝利を目指して挑戦する義務があるからだ。だが、少しバランスを失ってしまった。我々はあまりにも無謀に攻めすぎた。それなのに、そうならないようにという話は、1週間を通して何度もしていた」

 この試合で唯一イタリア人としてピッチに立った29歳の新守護神、ヴィカーリオ。トッテナム・ホットスパーFCからシーズン終了までのレンタルで加入している。

 単年契約で、800万ユーロ(約14億円)での買い取りオプションが付随しているが、来季もユーヴェに残るのかさえ不透明だ。ユーヴェへの加入からまだ1か月も経っていない。それでも、すでにこのチームのリーダーのような語り口だった。

約295億円を投じても残る疑問

コロ・ムアニ
パリ・サンジェルマンから加入したコロ・ムアニ【写真:Getty Images】



 昨シーズン、6位に終わり、チャンピオンズリーグ出場権を逃したユーヴェは、今季も雲行きの怪しいスタートとなった。4試合を終えて、2勝1分け1敗。得点数は6で失点は4、順位は8位と、昇格組のフロジノーネ・カルチョの下を行く。

 今季のユーヴェは不運に見舞われている。ヌメロ・ディエチのケナン・ユルディズ、中盤のダイナモ、ケフラン・テュラム、プレイメーカーのマヌエル・ロカテッリと、主力に相次いで故障者が出てしまった。いずれも長期離脱を強いられている。

 ただ、昨季に築いた土台がなくなったとはいえ、今夏のユーヴェはリーグ2位となる約1億6400万ユーロ(約295億円)の補強を行った。残留を目標とし、約1350万ユーロ(約24億円)の補強にとどまったUSサッスオーロに敗れたことは、言い訳できないだろう。

 今夏の移籍市場では、復帰組を除き、9人もの選手を獲得した。その一人が、FWのランダル・コロ・ムアニである。2025年には冬の移籍市場でパリ・サンジェルマンからユヴェントスに加入し、16試合で8ゴールを記録した。しかし、それはチアゴ・モッタとイーゴル・トゥードル、2人の異なる指揮官の下での活躍だった。

 さらに昨季はトッテナムFCでプレミアリーグ30試合に出場しながら、わずか1得点にとどまった。チームが残留争いを強いられたとはいえ、寂しい数字だ。

 そんなゴールを忘れた27歳のストライカーに対し、ユーヴェは3800万ユーロ(約69億円)に最大1200万ユーロ(約22億円)のボーナスが加わる移籍金をパリ・サンジェルマンに支払う。“2年越しの恋の末の再会”となったが、果たしてそれだけの価値がある補強だったのか。懐疑的にならざるを得ない。

 9月1日には、ドイツ代表の巨人、ニック・ヴォルテマーデをニューカッスル・ユナイテッドから有償レンタルで獲得した。

 大型FWの補強は、スパッレッティがかねてから望んでいたものだったが、ヴォルテマーデも2試合を終えて、まだ得点を記録していない。昨季はニューカッスル・ユナイテッドでプレミアリーグ33試合に出場し、8得点。果たして、ユーヴェにふさわしい新戦力だったのか。

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