
所属先のバレンシアではピッチに立てない試合が続いていた日本代表MF佐藤龍之介【写真:Getty Images】
ラ・リーガで降格圏に沈むバレンシアは23日、ハビエル・アギーレ氏の新監督就任を発表した。所属する日本代表MF佐藤龍之介は現在、代表活動のためチームを離れている。その状況と重なるのが、4年前の久保建英の例だ。
4年前の久保と似た状況…
バレンシアは9月13日、カルロス・コルベラン監督との契約を解除した。
佐藤龍之介はそれまでのリーグ戦5試合で4試合に先発していたが、オスカル・サンチェス暫定監督が率いたアラベス戦、レアル・ソシエダ戦はいずれもベンチ入りしながら出番なし。監督交代を境に、ピッチに立てない試合が続いていた。
そんなタイミングで正式にチームを託されたのが、過去に日本代表を指揮したこともあるハビエル・アギーレ監督だった。
だが、その就任が発表された23日、佐藤はすでに日本代表に合流していた。9月24日のウルグアイ戦から10月5日まで続く代表活動に参加しており、新監督がチーム作りを始める重要な期間をクラブの外で過ごすことになる。
実は4年前、佐藤と同じような状況を経験した選手がいる。今、この代表4連戦をともに戦っている久保建英だ。
当時マジョルカでプレーしていた久保は、2022年3月の日本代表活動に参加。24日にはシドニーで行われたカタールワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦でベンチ入りしていた。
まさにその日、6連敗で降格圏に転落していたマジョルカが、ルイス・ガルシア・プラサ監督の後任としてアギーレ監督の就任を発表した。
久保は29日のベトナム戦にも出場しており、アギーレ監督は久保を含む代表選手不在のなかで、残り9試合の残留争いに向けたチーム作りを始めていた。
それまで久保は、負傷離脱から復帰すると再び定位置を確保し、アギーレ監督就任直前のエスパニョール戦でベンチスタートとなるまで、リーグ戦9試合連続で先発していた。
しかし、新体制ではその状況が大きく変わる。
アギーレ監督が指揮した残り9試合で、久保が先発したのはアラベス戦とグラナダ戦のわずか2試合。初陣となったヘタフェ戦では86分からの出場にとどまり、残留を懸けた最後の3試合では合計42分しかプレーせず、最終節オサスナ戦は出場機会すらなかった。
もちろん、代表活動で新監督のスタートに立ち会えなかったことだけが、久保の序列低下を招いたわけではない。
当時のマジョルカは残り9試合で降格圏に沈んでおり、1部残留が最優先だった。アギーレ監督は5バックを用いるなど守備を重視し、球際や運動量、守備強度を計算できる選手を重用。最後の3試合を2勝1分で乗り切り、最終節で残留を決めた。
久保の特徴と、残留争いで新監督が求めたものが必ずしも噛み合わなかった面もあるだろう。
シーズン終盤に差し掛かっていたマジョルカと、シーズン序盤の現在のバレンシアとでは監督交代時の切迫感が異なることには留意したい。
それでも、新監督の就任時に代表活動でクラブを離れているという点は共通しており、現在、1勝1分5敗でリーグ19位と苦しむバレンシアも決して余裕のある状況ではない。
今季、欧州初挑戦となる19歳MFにも、新体制の下で自らの立場を築き直す“再スタート”が待っている。
暫定体制となってからの2試合で、佐藤はいずれもベンチ入りしながら出場機会なし。
今回の監督交代は序列をリセットできる機会でもあるが、その新たな競争が始まるタイミングで本人はクラブを離れている。
直近2試合で出場機会を失っているだけに、代表活動を終えて戻った後、短期間で新監督の信頼をつかむ必要がある。
だからこそ、現在参加している日本代表での時間も重要になるだろう。
24日のウルグアイ戦では出場機会を得られなかった。残る代表戦でチャンスが巡ってくれば、結果やパフォーマンスで自身の状態を示してバレンシアへ戻りたいところだ。
4年前、代表活動中にアギーレ監督の就任を迎えた久保は、その後に厳しいスタメン争いを経験した。
代表での序列争いと、クラブで始まる新たな競争。今回の代表4連戦は、佐藤にとってその両方につながる重要な時間となりそうだ。
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