フットボールチャンネル

日本代表の「4バック」は機能したのか? 課題も見えたニュージーランド戦、それでも残った“議論の余地”

text by 編集部 photo by Getty Images

サッカー日本代表
2-1でニュージーランド代表に勝利したサッカー日本代表【写真:Getty Images】



日本代表はニュージーランド代表戦で、約2年半ぶりに4バックで試合をスタートした。課題を残した一方、堂安律ら攻撃陣の持ち味が生きる場面も。アジアカップを前に、3バックとは異なる「別解」としての可能性を探る一戦となった。



4バックで見えた新たな可能性

 日本代表は5日、キリンカップサッカー2026決勝でニュージーランド代表と対戦し、2-1で勝利した。この試合で森保一監督が採用したのが、近年の主戦布陣だった3-4-2-1ではなく、4-2-3-1だった。

 4バックで試合に入るのは約2年半ぶり。それだけに、各ポジションの関係性の作り方や試合の運び方には、当然ながら課題も見えた。

 それでも、これまでの3バックとは異なる可能性を感じさせたのも確かだ。

 その象徴が、2列目で流動的にポジションを変えながら、何度もチャンスに絡んだ堂安律だろう。

 3-4-2-1ではウイングバックでプレーすることが多かった堂安は、比較的低い位置からボールを受け、攻撃の起点を作る役割を担う場面も少なくなかった。

 一方、2列目の右で先発したこの日は、久保建英と頻繁にポジションを入れ替えながら、よりゴールに近い位置でプレー。細かなショートパスで周囲と関係を作るだけでなく、時にはミドルレンジのパスで局面を変え、日本の攻撃にリズムをもたらしていた。

 バイタルエリアからゴールを狙える左足も堂安の大きな武器だ。守備時に最終ラインまで下がることも求められるウイングバックではなく、より高い位置でプレーできれば、その攻撃力をさらに生かすことができる。今後も4バックを試していくのであれば、堂安はキーマンの一人になりそうだ。

 ベネズエラ代表戦以来、今シリーズ2度目の先発となった中野就斗も、印象的なプレーを見せた。


 右サイドバックに入った中野は、前方に位置する堂安や久保と関係を作りながら、攻撃参加のタイミングを模索。立ち位置や距離感を細かく変えながら、前に出るスペースをうかがっていた。

 得点につながった積極的な攻撃参加に加え、この日も何度か見せたロングスローは、日本代表の新たな攻撃の選択肢として魅力的に映った。アジアカップを見据えても、中野のこうした武器は重要なオプションになっていきそうだ。

 また、4-2-3-1では1トップのFWが孤立しやすいが、上田綺世は最適なタイミングで足元に下りてボールを引き出しつつ、前線ではターゲットとしても機能。さらに今シリーズ4試合4得点となるゴールも決め、結果でも存在感を示した。

 途中出場の中村敬斗も、4バックにおける可能性を感じさせた選手の一人だ。3バック時のウイングバックに比べれば守備面のタスクは軽くなり、より高い位置から仕掛ける場面が増加。サイドで持ち味のドリブルや推進力を発揮し、生き生きとプレーしていた。

 攻撃の選手をよりゴールに近い位置で使えるという点でも、4バックのメリットが表れた場面だった。

 この日は出場機会のなかった鈴木唯人も、このフォーメーションで生きる一人だろう。所属するフライブルクでは同じ4-2-3-1のトップ下を主戦場とし、今季のブンデスリーガではすでに4得点を挙げている。ゴール前へ入り込む感覚や狭いスペースで前を向く技術、周囲を生かす巧みさを考えても、このシステムで見てみたい選手だ。

 また、この日は左サイドバックに入った鈴木淳之介が持ち味を十分に発揮したとは言い難かったが、このポジションには20歳の小杉啓太という選択肢もある。今季はフランクフルトでレギュラーの座に食い込み、U-21日本代表として出場したアジア競技大会でも、出場時間は少ないながらも、圧倒的な存在感を示していた。

 アジアカップ開幕まで、日本代表に残された実戦は11月のブラジル代表戦、パラグアイ代表戦の2試合しかない。新たなシステムを一から成熟させるには、決して十分な時間とは言えないだろう。

 それでも、攻撃のオプションを増やすという意味では、今回の4バックには今後も試してみたくなる可能性があった。

 残された時間の中でどこまでその可能性を探れるか。ニュージーランド戦は、3バックとは異なる「別解」を検討する余地を感じさせる一戦だった。

【関連記事】
英国人が見たサッカー日本代表対ニュージーランド代表「最近ラグビーあったか!?」新戦力で「絶対生き残れない選手も…」
サッカー日本代表、MVPは誰に? 前田大然や鈴木淳之介には厳しい評価【ニュージーランド戦どこよりも早い採点】
「あそこにいるのがウインガーの仕事」。日本代表・堂安律、4バックで示した攻撃の幅



『フットボールチャンネル』でサッカー最新情報を見よう!
いち早くチェックしたい方は下記リンクから↓↓




【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top