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J1 2026.10.8 18:07

東京ヴェルディ、相馬直樹新監督は何を変える? J1最少得点からの脱却へ、4-4-2採用の可能性。キーマンは誰だ?

text by 編集部 photo by Getty Images
東京ヴェルディ
相馬直樹新監督を迎える東京ヴェルディ【写真:Getty Images】



 東京ヴェルディは8日、相馬直樹氏の監督就任を発表した。J1第8節終了時点で19位と苦しむチームに、【4-4-2】と前線からのプレスを持ち味とする指揮官が加わる。城福浩前監督の下でも採用実績があるシステムだが、近年は【3-4-2-1】を基本形としてきた。新体制で何が変わるのか。キーマンを探る。

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どんなサッカーを志向するのか?

 ヴェルディは5日に城福浩前監督との契約解除を発表。クラブは第8節終了時点で19位という現状を重く受け止めた判断だと説明していた。

 後任の相馬監督は、キャリアの大部分を鹿島アントラーズで過ごしたが、2002年には東京ヴェルディ1969でプレーしたOBだ。

 指導者としてはFC町田ゼルビア、川崎フロンターレ、鹿島、大宮アルディージャ(現:RB大宮アルディージャ)、鹿児島ユナイテッドFCで監督を務めてきた。

 クラブは就任発表に合わせ、全員のハードワークに基づく「前線からのプレスの連動」による守備を再整理し、高い位置で奪ってからのショートカウンターで得点力を取り戻す方針を示した。城福体制で培った土台を引き継ぎ、発展させるための人選と言える。

 相馬監督がこれまで主軸としてきた布陣は【4-4-2】。最終ラインを高く保ち、コンパクトな陣形から連動してプレスをかけるのが持ち味だ。町田ではJ3からJ2への昇格を果たし、2018年にはJ2で4位。2021年にはシーズン途中から率いた鹿島を4位に導いた。

 直近で指揮を執った鹿児島(2025年、J3で5位)でも、その特徴は数字に表れていた。

 Jリーグ公式スタッツによると、1試合平均のシュート数(16.7本)、チャンスクリエイト数(14.2回)、インターセプト数(1.8回)はいずれもJ3最多。一方でボール支配率は48.2%で20クラブ中14位、クリア数はリーグで2番目に少なかった。

 ボールを持つことより、高い位置で奪って少ない手数でゴールへ向かう。特にサイドバックが重要な役割を担っていた。右サイドに入る青木義孝がインターセプトでJ3トップ、左の杉井颯(現:モンテディオ山形)が敵陣でのパス数で2位に入るなど、鹿児島では同ポジションの選手が攻守にカギを握る設計だった。

 一方、今季のヴェルディは苦しい。Jリーグ公式スタッツによると、1試合平均の得点(0.5)、シュート(8.9本)、枠内シュート(2.4本)はいずれもJ1最少で、ボール支配率は44.3%(17位)。インターセプト(19位)とこぼれ球奪取(20位)も下位に沈み、クリア数は5番目に多い。



東京ヴェルディのキーマンになり得るのは?

 攻撃機会を十分に作れない一方、自陣での守備対応が増えている様子が数字からうかがえる。城福監督は本来こうした切り替えの局面で強さを発揮するチームを作ってきたが、今季はその根幹が揺らいでいた。

 新体制でまず鍵を握るのは、鹿島時代に相馬監督の下でプレーしたFW染野唯月とDF林尚輝だ。2021年のリーグ戦出場数は年間を通じて染野が9試合、林が6試合と限られていたが、指揮官が求める基準を知る2人の存在は戦術の浸透を早める助けになりそうだ。

 染野は今季全8試合に出場し、シュート数はチーム最多、空中戦勝利数はJ1で2位。昨季もチーム最多の5得点・4アシストを記録した前線の軸だ。3バックの中央に入る林は今季チーム最多の2得点を挙げ、クリア数もチーム最多と攻守に存在感を示している。

 相馬監督の【4-4-2】ではサイドバックが攻守に重要なポジションと見られるだけに、懸念点もある。現在左ウイングバックとしてプレーする溝口修平はチーム内クロス最多を誇るが、90分あたりのデュエル勝率は48.5%と5割を切る(出典:FotMob)。サイドバックで起用されれば対人には注意したい。

 中盤では全8試合に出場し、チャンスクリエイトとタックルがともにチーム最多の平川怜、デュエル勝利数でチームトップの新井悠太らが、プレスの強度と縦への速さを両立できるかが焦点になる。

 もちろん、シーズン途中から戦い方を変える難しさから、従来の【3-4-2-1】を維持しながら、守備の連動性やボールを奪う位置を見直す可能性もある。城福体制においても2024シーズンの途中までは【4-4-2】で戦うこともあったが、入れ替わりの激しいヴェルディには当時を知らない選手も多い。

 いずれにしても、前線の染野を起点とするプレスに周囲がどう連動し、奪ったボールをいかにゴールへつなげるかが重要になる。

 クラブが掲げた「失点ゼロ」へのこだわりと、高い位置で奪ってからの得点力の回復。いずれも相馬監督が各クラブで示してきた方向性と重なる。ハードワークという土台を継承しつつ、陣形や選手の役割をどう変えていくのか。新体制の最初の数試合が、ヴェルディ浮上への試金石となる。

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