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「夢が目標に変わった」バロンドール初候補の谷川萌々子が欧州遠征で示したいもの。バイエルンで磨いた力をなでしこジャパンへ

text by 竹中愛美 photo by Getty Images

バイエルン・ミュンヘン・フラウエンMF谷川萌々子 SCフライブルク戦より

バイエルン・ミュンヘン・フラウエンMF谷川萌々子【写真:Getty Images】



 昨季、バイエルン・ミュンヘン・フラウエンで公式戦37試合に出場し、13ゴール7アシストを記録するなど、飛躍を遂げた谷川萌々子。9月には、世界年間最優秀選手賞「バロンドール」の女子部門で初めて候補者30人にノミネートされた。21歳のMFは日本時間10月10日のハイチ代表戦、14日のドイツ代表戦に向けてオンライン取材に応じ、昨季の成長や世界のトップを目指す思い、なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)で表現したいプレーについて語った。



「より一歩近づいた場所になった」世界のトップを見据える21歳

 昨季、ドイツのバイエルン・ミュンヘン・フラウエンで存在感を高めた谷川萌々子。リーグ戦では23試合に出場して8ゴール2アシストを記録し、UEFA女子チャンピオンズリーグ(UWCL)でも準決勝進出に貢献した。

 その活躍が評価され、9月にはサッカー専門誌『フランス・フットボール』が選定するバロンドールの女子部門で、候補者30人の一人に初めて名を連ねた。

 世界最高の選手に贈られる賞へのノミネートは、谷川にとって大きな驚きであると同時に、幼い頃から抱いてきた夢を、より具体的な目標として捉えるきっかけにもなった。

「正直、入ると思ってなかったので、びっくりしたんですけど、もちろん自分の夢でもあるので、すごくうれしかったです。バロンドールを取ることは夢だったんですけど、それがより目標に変わったっていうか、より一歩近づいた場所になったなっていうふうには個人的に感じることができて。そういった賞をまた取れるように、より頑張っていきたいなと思います」

 21歳にして世界最高峰の賞で候補に選ばれた谷川だが、自身の成長を実感するのは、日々のプレーを通してのことでもある。海外でプレーを始めておよそ3年。高い強度の中でプレーを続けることで、フィジカル面、技術面ともに積み上げてきたものがあるという。

「3年海外でプレーして、海外の高い強度の中でやり続けるフィジカルの部分だったり、技術の部分では、3年間積み上げたものがあるかなとは思います」

 一方で、さらなる成長に向けてこだわりたいのが、ゴール前での仕事だ。得点やアシストという結果を残すことは、自身の持ち味を発揮するうえでも欠かせない。

「自分の得意なゴール前でのアシストだったり、得点というところは、もっとこだわっていきたいなと思います」

 今回の欧州遠征では、ハイチ代表とドイツ代表に挑む。特にドイツは、谷川が普段プレーするバイエルンでともに戦う選手たちも擁する相手だ。チームメイトとして知る選手たちの特徴を踏まえ、警戒するポイントを挙げた。

「本当にフィジカルを持った選手がいますし、チームメイトでは、スピードがあって、ドリブルもうまくて、個人での打開ができる選手がクララ・ビュールで、特にそういったプレーができるので、そういった選手に波に乗らせないことは、まず一つ鍵になってくるなと思います。あとは、縦に速いサッカーをしてくると思うので、自分たちは全員でしっかりコンパクトを保って、日本らしく戦っていきたいなと思います」

 ドイツで日々プレーする谷川は、ボールを奪った後の攻撃にも特徴を感じている。日本がボールを保持して持ち味を発揮する一方で、相手の素早い攻撃への対応も重要になると考えている。

代表とクラブで異なる役割も「両方とも楽しめるかな」

オンライン取材に応じるなでしこジャパン 谷川萌々子

オンライン取材に応じるなでしこジャパンの谷川萌々子【画像:スクリーンショット】


「個人的にドイツのサッカーだなって感じるのは、まずボールを奪ったときに、日本はボールを奪われないようにつなぐ意識が強いんですけど、ドイツや海外は、奪ったらまずは背後、縦に速くというのをすごく狙っているなって、バイエルンでプレーしていて思っています。

 そういったところは自分たちもしっかりリスクマネジメントをしないと、一本でやられてしまうなと思うので、そういったところがドイツの良さであり、怖さでもあるかなと思います」

 その経験は、なでしこジャパンがさらに成長するためのヒントにもなっている。ボールを保持するだけでなく、失った直後の対応も含めてチームとしての強みを高めたいと考えている。

「自分たちはボールを持っていることによって、自分たちの良さが出せると思うので、ボールを奪われないために、キープすることはもちろん大切なんですけど、ドイツの良さである、奪った後の素早い攻撃は、日本ももう少し意識してもいいんじゃないかなとは思います。

 あとは、ボールを保持している中でも、奪われた後にまたすぐ奪い返せるようなサッカーをなでしこでもやっていけたら、もっと自分たちの良さが出せる試合になるのかなと思います」

 今回の2試合では、攻守両面でチームに貢献することを目指す。クラブではボランチでプレーする機会も増えているが、トップ下も含め、与えられたポジションで役割を果たすことが自身の仕事だと考えている。

「個人的にはボランチとトップ下でやることに関しては、あまりストレスを感じていなくて、与えられたポジションで、そこでの役割をしっかり果たすことが自分のやるべきことかなと思っているので、あまりストレスなくやれています」

 そのうえで、より自分の特徴を出せるポジションを問われると、攻撃への思いを隠さなかった。

「やっぱり自分の特徴をより出せる場所は、トップ下かなっていうふうに思っているので、そっちでやれたらいいなとは思っています。でも、ボランチでもボランチの楽しさがあって、両方とも楽しめるかなとは思います」

 世界最高の選手を目指す夢が、目標へと変わった谷川。バイエルンで培った経験をなでしこジャパンに還元しながら、攻撃の局面で違いを生み出し、世界の強豪との戦いで自らの成長を示していく。

(取材・文:竹中愛美)

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