
シント=トロイデンでプレーする高井幸大【写真:Getty Images】
現地時間10月11日、ベルギー1部リーグ第8節でシント=トロイデン(STVV)は敵地でメヘレンと対戦し、3-4で敗れた。前半だけで3点を失ったが、そのうち2点はDF高井幸大と谷口彰悟によるオウンゴール。日本人センターバック2人のミスが、最下位に沈んでいた相手に今季初勝利を許す大きな要因となった。
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現地メディアは「痛恨のデビュー」と酷評
STVVは0-3からサメド・バジュダル、イリアス・セバウイのゴールで1点差に迫り、2-4とされた後もフレデリック・ソエル・ソエルが決めて再び食い下がったが、あと一歩及ばなかった。
9月1日にトッテナム・ホットスパーから期限付き移籍で加入した高井にとって、この試合はSTVVでの初先発だった。
しかし5分にイエローカードを受けると、24分には失点に絡む。メヘレンの素早いカウンターから、ベニト・ラマンが送った低いクロスに対応したが、ゴール前のボウケ・ボースマの手前で触れたボールが自陣ゴールへ吸い込まれた。
現地メディアの視線も当然、痛恨のオウンゴールに向けられた。ベルギー公共放送『Sporza』は試合中の速報で「高井にとって痛恨のデビュー」と見出しを打った。
より厳しかったのが、ベルギーのサッカーニュースサイト『Voetbalkrant』だ。ラマンのクロスを処理し切れなかった場面について、「デビュー戦の選手による愚かなオウンゴール」と評した。開始5分ですでに警告を受けていただけに、初先発としては苦しい立ち上がりになったことは否定できない。
一方、ベルギー紙『HLN』の論調は少し異なる。高井の早い時間帯での警告とオウンゴールには触れながらも、STVVについては「悪くなかった」とし、後半の反撃も評価した。
敗因についても高井ひとりの責任とはせず、前半に2つのオウンゴールを喫したチーム全体を「自分たちで自分たちを苦しめた」と捉えている。高井にとってほろ苦いデビューだったことは間違いないが、現地報道をたどっても、90分すべてが否定的に評価されたわけではない。
フレデリック・デ・メイヤー監督も試合後、「前半のメヘレンのゴール期待値は0.4だったのに、3点を失った」と嘆いた。チームはこれでリーグ戦3連敗となり、試合中にはサポーターから指揮官の退任を求める声も上がった(出典:サッカーメディア『VoetbalBelgie』)。
それでも見せた“前への持ち味”
ただ、オウンゴールの場面だけで高井の90分を評価するのは酷だろう。試合を通じて見れば、本来の持ち味は随所に表れていた。
まずはビルドアップだ。データサイト『FotMob』によると、高井のパス成功数は76本で両チーム最多。成功率も91.6%と高く、相手にボールを奪われた回数は0だった。
タッチ数94も両チームで2番目に多く、組み立ての中心を担っていたことがわかる。ファイナルサードへのパスも9本を記録し、後方から前進の起点にもなっていた。
守備で目を引いたのは、相手のパスコースを先読みして前に出る姿勢だ。インターセプト4回は谷口の6回に次ぐチーム2位で、ボール回収8回はフィールドプレーヤーでチーム最多。最終ラインで待ち構えるのではなく、自ら前へ出て奪いに行く積極性は、川崎フロンターレや日本代表で見せてきたプレーに近いものだった。
41分に相手のゴールキックをハーフウェーライン付近まで出てきて競り合うシーンや、56分にパスカットからカウンターを防いだ場面などは高井の強みだろう。前にアグレッシブな形でボールにチャレンジできていた。
一方で課題も残る。デュエル勝率は33.3%(12回中4回)にとどまり、ファウル4回は両チーム最多タイ。前へ出る守備はリスクと表裏一体で、立ち上がりの警告も含め、ベルギーでのインテンシティへの適応は今後のテーマになる。
それでも、加入から約1カ月半、初先発の舞台で示した積極性は期待を抱かせるものだった。昨季後半をボルシアMGで過ごし、今季はトッテナムで構想外となっていた高井にとって、まずは出場機会を重ねることが何より重要だ。
15日にはUEFAカンファレンスリーグでイベリア1999(ジョージア)との一戦が控える。オウンゴールを“致命傷”にしないためにも、次の試合で持ち味を結果につなげたい。
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