
FC町田ゼルビアでプレーする明本考浩【写真:Getty Images】
ベルギーから戻った明本考浩は、日本の夏の暑さに「キツい。ヤバい」と苦しんだ。それでも開幕戦でゴールを決め、町田の首位争いを支えてきた。10月18日のアビスパ福岡戦では、ACL遠征から中2日の過密日程のなか2得点に絡み、3-0の快勝に貢献。「まだコンディションは100%じゃない」と語る明本の真価は、ここから発揮される。(取材・文:菊地正典)[2/2ページ]
「まだコンディションは100%じゃない」

ゴール後の望月ヘンリー海輝と町田の選手たち【写真:Getty Images】
1点リードながら押し込まれる展開の中で2点目の起点になった3分後には、トーマス・アウエヤンのフィードに反応して左サイドを抜け出すと、相手のチャージにも動じずグラウンダーのクロスを送り、国士舘大学の後輩でもある望月ヘンリー海輝のゴールをアシストした。
フル出場して10.466kmという走行距離は、ウイングバックとして決して多くはない。スプリント数も逆サイドの望月が23回記録したのに対して14回。連戦や長距離移動の疲労が影響していたはずだが、本人は「今日は余裕がありましたよ」と笑う。
実際に3-0になったあともドリブルで中央突破を狙ったり、そのプレーの直後は肩で息をしていると思いきや、左サイドの裏を狙いながらアウエヤンにパスを送るようジェスチャーで要求したりするなど、3-0で良しとはせずに次のチャンスを狙い続けた。
経験を重ねて力の入れどころを覚えた。さらに、170cm・65kgの自身よりひと回りもふた回りも大きいベルギーの選手たちとの対戦を続けたことで、相手との距離感を意識するようになり、プレーに余裕が生まれた。
暑さへの強さはいったん失ったが、ベルギーでの経験も含めた進化により、タフな状況でこそ真価を発揮した。
それでもなお、明本は自身のパフォーマンスに満足していない。
「まだコンディションは100%じゃないんですよ。もっと上げていかなきゃいけないですね」
つまり、2つのゴールに絡んだこの日のパフォーマンスは、天井ではないのだ。「クレイジー」な夏が終わった一方、「クレイジー」な9連戦はまだ3試合を終えたばかり。だが、涼しくなってきたことも含め、明本のパフォーマンスはますます上がっていくに違いない。
(取材・文:菊地正典)
【著者プロフィール:菊地正典 フリーライター】
きくち・まさのり/福島県出身。埼玉大学卒業後、当時、日本最大級だったサッカーモバイルサイトの編集・ライターを経て、フリーランスに。主にサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の記者として活動し、横浜FC、浦和レッズ、ジェフユナイテッド市原・千葉、横浜F・マリノス、川崎フロンターレの担当記者を歴任。著書に『浦和レッズ変革の四年 〜サッカー新聞エルゴラッソ浦和番記者が見たミシャレッズの1442日〜』(スクワッド)、『トリコロール新時代』(スクワッド、三栄書房)がある。Xのユーザー名は@masanorikikuchi
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