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フォーカス 2026.10.30 06:00

損失額が大きいのは? 欧州5大リーグ、赤字クラブランキング1~5位

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images
欧州5大リーグ、赤字クラブランキング1~5位
欧州5大リーグ、赤字クラブランキング1~5位【写真:Getty Images】


 欧州5大リーグに所属する全96クラブを対象に、2025年決算の赤字額を調査した。クラブなどが公表した公式決算を優先し、税引後純損益をもとにランキングを作成。巨額の収入を得ながら、それを上回る損失を計上したクラブはどこなのか。2026年決算が公表されているクラブについては最新の財務状況にも触れながら、欧州サッカーの経営実態に迫る。※決算の会計期間、連結・単体の区分、対象事業の範囲はクラブによって異なる。(金額は1ユーロ=180円、1ポンド=205円換算)[2/5ページ]

4位:アストン・ヴィラ(イングランド)

アストン・ヴィラの選手たち
アストン・ヴィラの選手たち【写真:Getty Images】


赤字額:9681万7000ポンド(約198億4749万円)
売上高(原則として移籍関連収益を除く):3億7813万2000ポンド(約775億1706万円)
対象決算:2025年6月期/NSWE UK Limited上位連結決算

【CL8強で売上高は過去最高でも赤字は拡大】

 アストン・ヴィラの2025年6月期決算は9681万7000ポンド(約198億円)の損失。前年の8516万5000ポンド(約175億円)から赤字が拡大した。前期は13か月決算のため単純比較には注意が必要だが、喜べる状況にはない。

 2024/25シーズンはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でベスト8に進出。プレミアリーグでは前年の4位から6位に後退したものの、売上高は約37%増の3億7813万2000ポンド(約775億円)と過去最高を記録した。

 増収の最大の要因はCL出場だ。UEFAからの分配金は前年の1369万ポンド(約28億円)から7023万2000ポンド(約144億円)へ急増。スポンサー収入も約31%増、商業収入は約69%増となり、収益を押し上げた。

 一方、支出も膨らんだ。人件費は2億7337万6000ポンド(約560億円)に達し、売上高の約72%を占めた。

 選手獲得に伴う移籍金などを契約期間に分けて費用計上する「選手登録権の償却費」と減損損失の合計も1億619万3000ポンド(約218億円)。選手売却益は前年の約6471万ポンド(約133億円)から約5198万ポンド(約107億円)へ減少した。



【クラブ発表の「黒字」とは?】

 さらに、新たな選手の獲得にかかった移籍金などは約1億6153万ポンド(約331億円)。スタジアムや関連施設などへの設備投資も約6923万ポンド(約142億円)に達した。後者は当期の損失に直接全額計上されるものではないが、継続的な資金需要の大きさを示している。

 ただし、クラブは同じ2025年決算について1700万ポンド(約35億円)の黒字を発表している。この違いは連結範囲によるものだ。(出典:2026年3月31日付のプレミアリーグ公式サイト)

 アストン・ヴィラの親会社に当たる「NSWE Sports Limited」は、女子チームと施設運営権をグループ内の別会社へ移転し、計約1億1360万ポンド(約233億円)の売却益を計上した。

 しかし、今回のランキングで採用した上位会社「NSWE UK Limited」の連結決算では、グループ内取引として売却益が相殺されるため、約198億円の赤字となる。

 経営上の課題はその後も続く。2026年6月には選手関連費用の比率がUEFA規定の上限を超え、総額2250万ユーロ(約40億5000万円)の罰金を科された。このうち1500万ユーロ(約27億円)は条件付きで、2026/27シーズンの欧州コンペティションにおける選手登録制限も受けた。

 一方、2025/26シーズンはUEFAヨーロッパリーグ(EL)で優勝し、プレミアリーグでも4位に浮上。2026/27シーズンのCL出場権を確保した。UEFAも2024年から2025年にかけて選手関連費用の比率が改善傾向にあると認めている。今後はCL復帰による増収を、選手関連費用の抑制と両立できるかが焦点となる。

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