
PSVでプレーする佐野航大【写真:Getty Images】
PSVで定位置を確保した佐野航大が、20日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ポルト戦でもフル出場し、今大会初勝利に貢献した。
ピーター・ボス監督は試合後、佐野とマウロ・ジュニオールの連係を評価。周囲との役割分担が、佐野の強みを引き出している。
一方、日本代表では兄・佐野海舟とダブルボランチを組んだものの、出場機会は限られている。クラブと代表で何が異なるのか。PSVでの活躍から、佐野の持ち味と代表での可能性を考える。
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監督が名指しで評価した佐野の働き
PSVは現地時間20日、CLリーグフェーズ第3節でポルトを1-0で破り、今大会初勝利を挙げた。
日本代表MF佐野航大はダブルボランチの一角として先発フル出場。8月から続く公式戦連続フル出場を10試合に伸ばした。
ピーター・ボス監督が試合後に評価したのは、佐野とマウロ・ジュニオールのプレッシングだった。
オランダ『Ziggo Sport』を通じて、指揮官は試合序盤の守備が十分ではなかったと認めつつ、2人が前線の選手を押し上げたことでプレスを機能させ、試合の主導権を取り戻せたと説明している。
両者の関係が注目されたのは今回が初めてではない。
13日のCLリーグフェーズ第2節・RBライプツィヒ戦前、ボス監督は佐野がパスを出して前方へ動いた際、中央に残る選手が必要だと説明。その役割を果たす能力がマウロにはあると評価していた。
同試合後、現地メディア『VoetbalPrimeur』も、マウロが中盤に安定感をもたらし、佐野がPSVの攻撃を前進させていると評価した。
ボールを運ぶ佐野と中央を支えるマウロ
両者の特徴は数字にも表れている。
FotMobによる今季エールディビジの90分当たりの成績では、ドリブル成功数は佐野が1.51回、マウロが0.84回。一方、ボールリカバリー数は3.70回対8.53回で、マウロが上回った。
ただし、マウロは左サイドバックでもプレーしており、数字をそのまま役割の違いに結びつけることはできない。
それでも、佐野が積極的に前進し、その背後をマウロが補うという関係は明確だ。さらに、守備では2人が連動して前方へ圧力をかける。ボス監督は、個人の能力だけでなく、その組み合わせによって中盤の機能性を高めている。
一方、日本代表に目を向けると、佐野の立場は大きく異なる。
9月から10月にかけて行われた国際Aマッチ4連戦では、ウルグアイ戦に先発したもののハーフタイムで交代。ニュージーランド戦では78分から出場し、残る2試合で出番はなかった。
4試合合計の出場時間は約57分。PSVで10試合連続フル出場を続ける選手としては、物足りなく映る数字だ。
佐野兄弟にもあった役割分担。代表で生きる連係とは
もっとも、ウルグアイ戦では兄の佐野海舟とダブルボランチを形成している。森保一監督が新しい組み合わせを試していないわけではない。“後方のマウロ、前進の佐野”に通ずるコンビは、この試合における佐野兄弟も実践できていたように見える。
航大が前に持ち運び、海舟がピンチの芽を摘む。ウルグアイ戦の前半の課題は、各々のポジションで連係が取れないことだった。2人と共にピッチに立った鈴木唯人がシャドーの位置で起用されながら中盤の底まで下りてボールを受ける動きを見せたが、相手に明確な脅威を与えるまでには至らなかった。
PSVのスフェン・マイナンスは、「3人目の動き」として参考になりそうである。佐野とマウロの前方で、相手の中盤と最終ラインの間に入ってパスを引き出す役割を担い、ポルト戦ではフース・ティルの決勝点をアシストした。
ここまではセンターフォワードとして起用される試合もあり、時折“ゼロトップ”的な動きも見せている。ライプツィヒ戦では最前線に配置されたが、象徴的なシーンを作った。28分に佐野が自陣からボールを受けると、前方のマイナンスとのワンツーで左サイドへ前進。一方、マウロは中央に残って佐野の背後をカバーした。
ライプツィヒとの試合には0-1で敗れたが、佐野と周囲の連係を考える上では重要なヒントがいくつもあった。
佐野が代表の主力になるためには、個人の能力を示すだけでなく、異なる選手との組み合わせのなかで持ち味を発揮する必要があるだろう。
PSVでの10試合連続フル出場は、ボス監督の信頼を示す数字だ。その信頼を支えているのは、マウロをはじめとする周囲のプレーヤーとの相互補完的な関係でもある。
日本代表では、佐野の能力をどの位置で、誰と組ませて引き出すのか。ここまで見せている働きは、森保監督が中盤の新たな選択肢を考えるうえで、重要な材料となるはずだ。
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