クラブは無関係だった脱税事件
史上初のバロンドール四連覇を達成し、世界一のベストプレーヤーの誉れ高いレオ・メッシに、脱税容疑が持ち上がった。もともと、スキャンダルを一切、起こさずにクリーンなイメージを保ってきたメッシだけに、このニュースが報道されるやいなや、スペインではほぼ社会問題レベルで扱われた。
バルセロナのサンドロ・ロセイ会長が、「私達はメッシの潔白を信じ切っています。メッシサイドにも弁護士がいますから、クラブとして助けることなのかはわかりませんが、できることがあるなら協力は惜しみません」と公にコメントを出したほどだった。
もっとも、ロセイ会長が落ち着いて発言できるのは、問題になっている資金がクラブと無関係だからだ。
バルセロナは、選手の年俸に関する税金は受け持つが、本人の肖像権において生じる経済利益は、寛大にも全て選手個人に与えるとの契約を結ぶことで知られている。この契約はクラブにとって経済的損失も生むが、その管理を選手側に任せることで、こういった不祥事が起きた時の被害も蒙らずにすむメリットがある。
もとい、事の発端は6月20日にバルセロナの経済犯罪検察官がメッシと父親であり、代理人のホルヘ・オラシオ・メッシの二人を正式に訴えたことだった。訴状によれば、07年、08年、09年の3年間に渡り、メッシが肖像権によって得た収益を400万ユーロ(約5億2千万円)以上、脱税した疑いがあるという。
07年の時点でメッシは未成年だったため、この事件の‘イニシアティブ’は父親のホルヘがとっており、その後、成人になったメッシも父親と同じやり方を繰り返したと報じられている。スペインの場合、法律的には18歳から成人となる。