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メッシは是か非か? 世界一の選手が告発された脱税容疑事件。現地記者がその手口と背景を解説

コンフェデまっただ中の6月にとある事件がスペインを賑わせた。メッシの脱税問題だ。クリーンなイメージが持たれていた世界一の選手に一体何が起こったのか? 現地記者が錯綜する報道をまとめ、解説する。果たしてメッシは是か非か?

text by 山本美智子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

クラブは無関係だった脱税事件

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メッシに持ち上がった脱税疑惑【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 史上初のバロンドール四連覇を達成し、世界一のベストプレーヤーの誉れ高いレオ・メッシに、脱税容疑が持ち上がった。もともと、スキャンダルを一切、起こさずにクリーンなイメージを保ってきたメッシだけに、このニュースが報道されるやいなや、スペインではほぼ社会問題レベルで扱われた。

 バルセロナのサンドロ・ロセイ会長が、「私達はメッシの潔白を信じ切っています。メッシサイドにも弁護士がいますから、クラブとして助けることなのかはわかりませんが、できることがあるなら協力は惜しみません」と公にコメントを出したほどだった。

 もっとも、ロセイ会長が落ち着いて発言できるのは、問題になっている資金がクラブと無関係だからだ。

 バルセロナは、選手の年俸に関する税金は受け持つが、本人の肖像権において生じる経済利益は、寛大にも全て選手個人に与えるとの契約を結ぶことで知られている。この契約はクラブにとって経済的損失も生むが、その管理を選手側に任せることで、こういった不祥事が起きた時の被害も蒙らずにすむメリットがある。

 もとい、事の発端は6月20日にバルセロナの経済犯罪検察官がメッシと父親であり、代理人のホルヘ・オラシオ・メッシの二人を正式に訴えたことだった。訴状によれば、07年、08年、09年の3年間に渡り、メッシが肖像権によって得た収益を400万ユーロ(約5億2千万円)以上、脱税した疑いがあるという。

 07年の時点でメッシは未成年だったため、この事件の‘イニシアティブ’は父親のホルヘがとっており、その後、成人になったメッシも父親と同じやり方を繰り返したと報じられている。スペインの場合、法律的には18歳から成人となる。

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