2025JリーグYBCルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝第1戦で、サンフレッチェ広島は湘南ベルマーレに3-2で敗れた。敗戦の中で際立ったのが、スタメン出場した19歳の中島洋太朗だ。この日、2アシストで非凡な才能を示した若きホープは、ケガからの復帰を経て、すべてのタイトル獲得に向けて再び歩みを進めようとしている。(取材・文:藤江直人)
ビハインドの状況で飛び出した中島洋太朗のスーパープレー

【写真:Getty Images】
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右足を介してボールに明確なメッセージを込めた。瞬時に選択したワンタッチのスルーパスに、サンフレッチェ広島の中盤でまばゆい輝きを放つ19歳、中島洋太朗がもつ非凡な才能が凝縮されていた。
「ボールが自分の前に来て、木下くんが空いているのが見えて、ボールもバウンドしていたのでイメージ通りにパスを出せました。ボールが浮いているからこそあのパスになったし、そこは一瞬で判断しました」
湘南ベルマーレのホーム、レモンガススタジアム平塚に乗り込んだ3日の2025JリーグYBCルヴァンカップ・プライムラウンド準々決勝の第1戦。開始15分に先制しながら、前半終了間際と後半開始直後に喫した連続失点で逆転された状況で迎えた86分に、中島のスーパープレーが飛び出した。
広島のDF山﨑大地が頭ではね返したボールを、湘南のMFゼ・ヒカルドがMFマルコス・ジュニオールと空中で競り合いながら頭で阻止。こぼれ球がハーフウェイライン付近に弾んだ直後だった。
ボールを目の前にした中島は、浮き球だった状況を逆に利用した。上半身をやや左へ傾けながら、ボールが再びピッチに落ちる前にボレーシュートを放つような体勢で右足を水平方向に振り抜いた。