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J2 3か月前

「自分がヒーローに…」郷家友太はあの日の涙を力に変える。人生を変えてくれたベガルタ仙台へ恩返しするために【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人

 明治安田J2リーグ第29節が13日に行われ、ベガルタ仙台はホームに首位の水戸ホーリーホックを迎えた。試合は1-1のドロー決着。暫定6位の仙台は、J1昇格を目指すにあたってこれ以上の停滞は許されない。1点ビハインドの窮地を救ったうちのひとりは、この日ベンチからスタートした主将・郷家友太だった。(取材・文:藤江直人)

大一番でベンチスタートを命じられた郷家友太

ベガルタ仙台所属MF郷家友太
【写真:Getty Images】

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 同点に追いついてくれ、という願いともうひとつ。ベガルタ仙台のキャプテン、郷家友太はまったく異なる思いを込めて、右タッチライン際から水戸ホーリーホックのゴール前へクロスを放った。

 ホームのユアテックスタジアム仙台に首位の水戸を迎えた13日のJ2リーグ第29節。キックオフ前の時点で6位の仙台との勝ち点差は6ポイント。昇格争いへ食い込めるか。それとも引き離されるか。結果が天国と地獄を分け隔てる大一番で、7ゴールをあげているチーム得点王の郷家はベンチスタートだった。

「戦術面なのかどうか。意図は僕にもわかりません。それでもベンチスタートになったからには、絶対に結果を残してやろうと思っていたし、そうした反骨心と正直、見ていろという気持ちというものがサッカー選手にとって一番大事だと思うので、それがいい意味で後半の自分のプレーにつながった感じです」

 実は代表ウイークに伴う中断期間中に、郷家とボランチの鎌田大夢のコンディションに問題が生じ、トレーニングマッチ出場を回避していた。そのトレーニングマッチの内容が及第点を与えられるものだったのもあって、森山佳郎監督は2人をベンチスタートに回し、勝負どころで投入する青写真を描いていた。

 試合は開始17分に、U-20日本代表に選出されたホープ齋藤俊輔のスーパーゴールで水戸が先制する。

 後半開始とともに鎌田が投入されるもゴールが遠い。迎えた69分。森山監督は4枚目の交代カードで、武田英寿に代えて郷家を右サイドハーフで投入。わずか4分後に訪れたのが、冒頭のクロスの場面だった。

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