FC町田ゼルビアはAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)東地区リーグステージ第1節でFCソウルと対戦し、1-1の引き分けに終わった。後半開始から出場した下田北斗は、アジアの舞台でクラブ史上初ゴールの起点を作る活躍を見せた。今後も重要な戦いが控える中、激化するボランチのポジション争いで自身の経験をチームに還元し存在感を示していく。(取材・文:藤江直人)
「幸多郎と『幸運を引き寄せよう』と言っていた」

【写真:Getty Images】
気がついたときにはホウキを手にしながら、ロッカールーム内の掃除を始めていた。
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韓国Kリーグ1のFCソウルをホームの町田市立陸上競技場に迎える、16日のAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)東地区リーグステージ初戦へ向けた前日練習を終えた直後。町田市内のクラブハウスで林幸多郎とともに取っていた行動を、FC町田ゼルビアの下田北斗は苦笑しながら明かした。
「掃除というか誰かの髪の毛が床の上に落ちていたので、それを僕と(林)幸多郎の2人でホウキで掃いただけなんですけど。本当にたまたまだったというか、(自分のロッカーに)近いところを5分くらい掃いただけなんですけど、そのときに幸多郎と『幸運を引き寄せよう』と言っていたんですよね」
迎えたFCソウル戦。キャプテンのDF昌子源のパスミスからカウンターを発動され、60分に先制されていた町田に歓喜の瞬間が訪れたのは80分。起点になったのは下田と林のコンビネーションだった。
右サイドでボールを持ったDFドレシェヴィッチが、サイドチェンジのロングパスを左ウイングバックの林の足元へ通した直後。ボランチの前寛之に代わって63分から同じポジションで途中出場していた下田が、敵陣の中央から猛然とスプリントを開始。右手で指さしながら、左前方へ向けて加速していった。
FCソウルが江原FCに2-3で敗れたKリーグ1第29節から中2日の強行日程で、その間に日本への移動も含めて体力的にもきつかったのではないか、という推測も含めたプレーだったと下田が振り返る。